プロジェクトのちゃぶ台返しも辞さない、ベーシック社が尊ぶ「シンプル思考」とは?

株式会社ベーシック
代表取締役 秋山 勝さん&Webマーケティング事業部 ferret部 部長/編集長飯 悠太さん

「Webマーケティングがわかる・できる・がんばれる」という言葉を掲げているポータルメディア「ferret(フェレット)」といえば、Webマーケティング業務に少しでも携わったことがあるならご存知の方も多いのでは。「うーん、知らないなあ」という方も、「ferret」発信のWebマーケティング関連記事を知らず知らずのうちに読んでいるはず。そんでもって「ferret」の月間PV数は250万と巨大。

さて、この「ferret」を運営しているのが、今回訪問させていただいた株式会社ベーシックさんです。

オフィスは、2016年10月に改装したばかりなんだとか。

打ち合わせスペースも広々。とても開放感があります。

夜になったら冷えたビールも呑めるそう。羨ましい!

さて、こんな素敵なオフィスを構えるベーシックさんの創業は2004年。設立以来、現在に至るまで数十にもわたる業種の比較サイトを運営。メディア事業で大きく飛躍し、さらにスマホケース販売やECオーナー向けサービス等のEC事業もスタート。

打ち合わせ中の社員の方々も…

自社サービス商品を嬉しそうに使っておられました。お気に入りのスマホケースを持って、ポーズとってくださいました(笑)。

さて、今回私たちが取材にお伺いしたワケは、そんなベーシックさんが今、ものすごく力を注いでいる事業があると耳にしたから。その事業が、先にお伝えしたメディア「ferret(フェレット)」、そしてマーケティングオートメーションツール「ferret One」の2つのサービスを軸にしたWebマーケティング事業です。

その事業に注がれる想いとはいったい何なんだろう。ベーシックさんが目指しているのはどんな未来なんだろう。色々と気になって、代表の秋山さん、そしてferret編集長の飯發気鵑砲話をお伺いしてきました!

なんとも意外!はじめはtoC向けだった「ferret」の誕生秘話

まずは、ずっと気になっていた質問から。「なんでフェレットという名前なんですか?」

秋山

フェレットって、すばしっこく動き回るでしょう。「探しまわる」という意味合いの名前を探していて、フェレットにしたんですよ(笑)。

へえ!聞けば「ferret」は2008年、当初「ことばを探す検索エンジン」としてスタートしたのだとか。その頃は、Googleサジェストがまだ無かった時代。あらゆる業種の比較サイトを運営し、日々どのようなキーワードでコンバージョンしているのか、といった疑問がサービスのキッカケだったそうです。

秋山

目的とズレたキーワードでコンバージョンしているケースがやけに多かったんですよ。それはきっと、目的を想起するキーワードがなかなか出てこないからだろうと。まだまだ検索に慣れてないユーザーたちの語彙力が発展していないのだろうと思ったんですね。そこで最初はtoC向けに、ことば探しエンジンを作ったんです。

さて、ちょうどその頃は、ヤフーのキーワードアドバイスツールが提供停止になった時期でもありました。すると…キーワード探しに困ったマーケターたちが「ferret」を即座に見つけ、集まってきたんだそうです。

秋山

「キーワード探すならferretを使うべし!」と書籍で紹介されたりもしましたよ。あれ?想定と違うぞと(笑)。でも私自身もマーケターですからそこにニーズがあることはすぐ分かりました。そしてリリース半年後、2009年にはtoB向けのマーケティングツールへとピボットしたんです。

その後、マーケッターに必要な機能を次々と実装し、また実際の使用感をヒアリングしながらチューニングを続けていくうちに「ferret」の知名度は、マッケーターの中でグングン上がっていったそう。いやー、しかしまさかはじめはtoC向けだったとは…知らなかった!

「問題解決」という事業テーマを生み出した、とあるジレンマ

秋山

toB向けであっても、我々は受託モデルの事業はやっていないんですね。あくまでも「仕組み」で生産性の高いビジネスを行なうことを決めていて。しかしferretを運営していくなかで、多くの企業におけるマーケティング課題が浮き彫りになってきました。

当時、toBの企業向けSEOオンラインサービスを提供していた同社。ferretの知名度がアップするにつれ、SEOの相談を持ちかけられるケースが増えていったとか。

秋山

「ある会社にお願いして検索順位は上がったが、実際、売上にはまったくつながっていない」という悩みから「今後何をすればいいかわからない」というざっくりした悩みまで…様々でしたね。

しかし決めていた「仕組みモデル」に、各社にガッツリ踏み込んでコンサルティングを行なう事業スタイルは合致しません。それは、すごいジレンマがあっただろうなと想像します。

秋山

そうなんです、課題は目の前に見えている。しかし我々が一社一社踏み込むことはできないし、それをやったところで大きな革新は生まれない。問題意識とジレンマが膨らんでいきました。

しかし、その「ジレンマ」こそが、今のベーシック社のビジョン、そして事業に繋がっていくんです。

秋山

私たちは事業テーマを「問題解決」と掲げました。目の前に見えている課題に対して、我々としてどのような仕組みで「解決」手段を提供できるか…それを追求していったんです。

「教育」と「環境」で、Webマーケティングの大衆化を

秋山

そもそもマーケティングとは「顧客と関係を築くこと」ですよね。狙った相手に自分からのメッセージを伝える、とてもシンプルなこと。

「いわばクジャクが異性に羽根を広げる求愛行動のようなもの。しかし現状は無作為に羽根を広げて疲れ果てたり、羽根の広げ方すらわからなかったり…ややこしく考えて本質を見失っている企業がとても多いのでは」と話す秋山さん。

秋山

「誰」に「どんなメッセージ」を伝えるか。その結果、何を達成したいのか。そこが根っこであり本質なのですが、それを伝えたところで正直、現状を改善するには漠然としすぎていて、遠すぎるだろうと考えました。

だから提供しようと考えたのが、「教育」と「環境」の2つ。

秋山

具体的に言うと、「教育」はWebマーケティングが体系的に学べるメディア「ferret」、「環境」はCMSや効果測定ツール等がトータルで実装されたプロダクトのマーケティングオートメーションツール「ferret One」で提供することとしたのです。

秋山

この2つを世の中に広められれば、「Webマーケティングの大衆化」、つまり誰でも簡単にマーケティング行動を起こせるようになる世界を作ろうと思っています。そうすれば各企業は、より本質的かつ創造的で、人間にしかできない仕事、たとえば本質的な企業戦略や商品企画の立案などに時間を割けるようになるはず。

なるほど…!しかしそうすると「ferret」も、マーケッター向けツールから大衆向けメディアへと方向転換しなきゃですよね?

秋山

そうなんです。構想を立てたのが2013年の年末。で、知り合いに「マーケティングがわかっててメディア立ち上げができる生意気でリーダーシップあるヤツいないかなあ」と相談したら、ああそういえば1人知っている、と

それが僕だったわけですね(笑)。ちょうどその頃、別の会社の役員になることがほぼ決まっていたんですけれど、ferretの話を聞いてその道を辞めました。秋山の話に共感し、とてもワクワクしましたね。これまでにない新しいものを生み出せる、そんな未知な感覚を味わえる気がしました。

ちゃぶ台返し!ferretリリース前の大騒動

ちなみに飯發気鵑入社した2014年4月には、ユーザーがマーケティングを体系立てて学ぶことができるメディア・新生「ferret」を作るため、既に編集チームが組まれていたとか。2014年5月オープンに向けてプロジェクトは順調に進んでいるかと思いきや…

入社してプロジェクトの状況を見て、すぐ「ちゃぶ台返し」をしました(笑)。こんなんじゃ出せない、と言って、作り直しを始めたんです。

マジか。
ちなみに詳しく聞いてみると理由は幾つもあったそう。例えば「なんとなく流行りのデザインでカッコいいけど、ターゲットが必要としている見せ方とは言えない」「あくまで一般的な内部構造に終始していて、ユーザー目線に立っていない」「コンテンツ記事が点でしかなく、構想としている体系化とはかけ離れていた」など…

マーケティングの会社なのに、自分たちがマーケティングできてないじゃん、という感じだったんです。チームメンバーは、当初驚いていたけれど、出す前からダメと分かっているものをそのまま出すなんてことはできませんでした。

すごい。その判断はなかなかできることじゃないですよね…

秋山

いえでも、僕もそういうの好きなんです、ちゃぶ台返しとか(笑)。ベーシックには「やってきたことを尊ぶ」という文化はありません。「ここまでやってきた」という想いって、正直、負の遺産でしかないでしょう。だから、僕も飯發貌碓佞靴討笋蠅覆しをすぐ認めました。

こうして飯發気鵑砲茲訛腟模なテコ入れが入り作り上げられた新生「ferret」は、2014年9月に無事オープン。

ferretでは上記のように、体系的に学ぶための様々なカリキュラムが用意されています。

記事ひとつバズっても意味なし。ferret自体がバズらなきゃ。

会員資産がありましたから初動はある程度数を獲得できましたが、そこからが問題でしたね。記事を出せばPVは伸びるものの、なかなか…僕のソーシャル上のフォロワーが一定数いるので、僕が記事を書くとそこそこバズるんですが、それじゃ「点」のままですから意味がない。試行錯誤しましたね。

体系化して学べるメディアとして認知されるには、いち記事がバズってもferretは盛り上がらない、メディア内で学ぼうとする人も生まれない。なるほど確かにそうですね。

毎週編集会議をし、ネタを出し、担当を決めていく。流入を目的とした記事、コンバージョンを目的にした記事…とネタごとに目的を決めてはトラフィックやユーザー動向を睨み、スコアリングする日々を送り…。

すると少しずつ変化が。

2014年の11月頃、はじめて僕以外のメンバーの記事がバズったんです!その時「あ、キタな」と思いました。その後、年末年始にかけて、ひとつひとつの記事が当たるようになってきて。僅かながら「点」から「線」になっていっている感覚がありました。

さらに2015年2月頃には、外部メディアやキュレーションメディアなどに記事がどんどんアップされるようになり、メディアトラフィックは一気に急上昇。それ以降は、「マーケティングといえばferret」というメディアブランドが確実に築かれていきます。

正直、ferretよりも知名度が高いマーケティングメディアはありますが、ferretのサイトパフォーマンスはそれらより上で、ユーザー数でも勝っています。つまり知名度が高い他メディアが幅広い層に向けて「点」の出会いを数多く生み出しているのに対し、ferretは定期的に利用してくださるコアユーザーが多いんです。

確かに。ferretは、マーケティング担当者の方、マーケターの方などの利用が多いイメージです。

そうなんです。ですが当社がやりたいのはあくまでも「マーケティングの大衆化」ですから、今後はもっとアーリー層など幅広い対象に向けてコンテンツを展開していきたい。まだまだブランド力は低いと思ってて、一般的にマーケティングを学べるメディアとして認知度されるよう、メディアとして成長していかなければいけません。

「世界一簡単」の理想形は…ボタンひとつのシンプルな世界

ちなみにメディア「ferret」は、マーケティングオートメーションツール「ferret One」のオウンドメディアとしての役割も果たしています。

「ferret One」のうたい文句は「Webマーケティングを世界一簡単にする!」。

ドラッグ&ドロップで超簡単にスマホ対応サイトを作れるCMSを実装しているので、サイト作りも運用更新も超簡単。さらに「これだけ押さえておけばOK」というポイントを厳選したシンプルな分析レポートが観られるため、初心者でもサイト内課題がとてもわかりやすく見えるようになっています。

秋山

ferretでマーケティングに関する「教育」を提供し、ferret Oneでマーケティングを実行する「環境」を提供する。このサイクルがうまくまわれば、企業がよりよい情報発信を提供し、また消費者も適切な情報を得ることができるようになるでしょう。“求愛行為”がきちんと相手に届くわけです。

しかしこちらのferret Oneも「まだまだ発展させなきゃいけない」と秋山さん。

秋山

マーケターの仕事を大きく大別すると2種類。1つめが作業系で、2つめがクリエイティブ系ですね。この1、作業系を徹底的に自動化させていきたい。現状もかなりオートメーション化できていますが…理想は「ボタンひとつで操作できる」世界観。

ぼ、ボタンひとつ?

秋山

スマートフォンもある種、ボタンひとつで直感的にあらゆる操作ができますよね。それと同じように、もっと削ぎ落してシンプルにしていきたい。理想は高いですよ。

タブーなんて気にしないシンプル思考が「仲間の条件」

そのためにはまだまだ仲間が必要になりそうですね。

秋山

現在社員は約100名で、Webマーケティング事業部に携わっているメンバーはその約半数。ですが、今後この事業はさらに拡大していくので、エンジニアやデザイナー、プロダクトプランナー、編集スタッフ、セールス…すべての職種においてメンバー増員が不可欠ですね。

「仲間の条件」って何ですか?

秋山

そうですね…全職種に共通して言うならば「シンプルに考えられて、やり抜ける人」でしょうか。

どっちかじゃなくて、そのふたつですよね。賢くてもアレコレ考えてしまって行動できない人よりは…

秋山

バカでもシンプルに考えられて、やり抜ける人がいいよね(笑)。

なるほど、わかりやすい。「THINK OUT OF THE BOX」というこの言葉にも、仲間の条件が隠れてそうですね。

秋山

そうですね。さきほど言ったように「これだけやってきたんだから」みたいな、過去や慣習を尊ぶタイプよりも、むしろタブーをぶっ壊すような思考ができる人が望ましい。そういうとスゴい人みたいですが、要は慣習に捉われず、シンプルに考えられる人ってことです。箱の中だけじゃなくて、外も見てみようって自然と思える人ですね。

「たとえば業界的にタブーとされていることは、消費者にとってはメリットになったりしますよね。そこを見失わない人です」と秋山さん。

秋山

煩わしいことや不要なことはすべて取り除き、シンプルにしていくこと。僕たちの事業ポリシーである「問題解決」には、そういう発想が不可欠なんです。

シンプルに考えて、本質を突き、行動する集団、それがベーシック。

Webマーケティングというとまだまだ「ややこしそう」なイメージがありますが、ベーシックさんのこれからの活躍によって、そのイメージがどんどんシンプルに変わっていきそうですね。楽しみ!

今日はどうもありがとうございました!

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会社名 株式会社ベーシック
代表者 秋山 勝
設立 平成16年3月
所在地
102-0082
東京都千代田区一番町17-6 一番町MSビル1F
事業内容 比較メディア事業/Webマーケティング事業/EC事業
運営サービス ferret
ferret One

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