求人情報 Find Job ! > 仕事探しガイド > クリエーターインタビュー:ウラタダシさん 【月刊生業】
幼い頃から、暇さえあれば絵を描いていました。親から褒められたり友達に喜ばれるのがすごく嬉しくって。独りで黙々と描くタイプとかではなくて。人のリアクションを見て楽しんだり、絵を介して自分と誰か、あるいは誰かと誰かをつなげたりするのが好きだったんですよね。何かしらのコミュニケーション・ツールとしての役割を持った絵を描くのが好きでした。その根本の部分は今の仕事とも繋がってると思いますね。
イラストレーターを仕事として意識し始めたのは中学生の頃。友人が将来の夢に「イラストレーター」と書くのを見て「どんな仕事?」と聞いてみると、自分のやりたいこととピッタリ。「これだ!」って思いましたね(笑)。
それで高校卒業後は美術系の専門学校で学びましたが、卒業しても当時住んでいた福岡にはイラストレーターの求人なんてない。それでもとにかく業界に潜り込むのが先決と思い、ある印刷会社の制作部にデザイナーとして入社しました。でも、やはり自分のやりたい仕事ではなかったんですよね。
それで、とにかく毎日昼飯を5分で済ませ、残りの時間で描いた絵を課長に見せて「何かに使ってください!」と頼み続けてたんですよ。
そのうちにチラシのカットなどに採用されるようになって、入社から半年ほどでイラスト専門の部署を一人で任されるようになったんです。
その印刷会社を辞め、福岡でフリーランスとして活動していた頃、Macintoshが主流になり始めました。ところが、高価で到底買えない。そこで会社に入って勉強し直そうと思い、23歳の時に上京しました。その時は服だけ持って友人の家に居候し、就職情報誌を買うお金すら無かったので、電話帳に載っているデザイン会社に片っ端から電話していました。
「イラストレーターとして雇ってください〜」って感じです(笑)。それで幸運にも小さな会社に拾ってもらってからは、まさに怒涛のような毎日でしたよ。徹夜続きで狂ったように描き続けていましたから。いま振り返るとすごく焦っていたんでしょうね。「早く東京で一旗上げなきゃ」という強迫観念のような思いがあったんです。
ところがそんな日々を一年半ほど続けた頃、突然絵を描けなくなったんですよ。真っ白の紙を見ると気分が悪くなってきて、実際トイレで吐いてしまうほど追い込まれてしまった。これはショックでした。あんなに絵を描くのが好きだったのに、それが苦しみ以外の何物でもなくなっていることに気付いたのですから。絵を描けないのなら、もう東京にいても仕方がない。そう思って会社を辞め、地元に戻ることにしました。
そのとき僕が東京を離れることを知った友人が、思い出にと湘南やディズニーランドなどに連日つれて行ってくれました。それまで仕事ばかりでどこにも遊びに行ってなかったんですよね。おかげ様でそんな毎日を過ごしていたら「もうちょっと東京にいようかなぁ」という気になっちゃたんです。
気が晴れたんですね(笑)。
それでとりあえず団地の壁を塗装する日雇いのバイトを始めました。半年ほどやってみて、これが自分でも不思議なくらいに楽しかった。やっぱり塗ったり描いたりするのが基本的に好きなんだなぁと改めて実感しましたね(笑)。 そして再度イラストレーターとして某制作会社に入りました。
その後は、決して「早く成功しよう」などと焦らず、その時々の仕事に「ただ頑張る」というよりも、「楽しめる自分になるために頑張る」ように心がけました。せっかく絵を描く楽しみを思い出せたのだから、それを二度と忘れたくなかった。そのスタンスは、30歳でフリーランスとして独立してからも少しも変わりませんね。
僕自身が経験したように、焦りは自分を追い詰めかねません。現在の僕は「絵を描いて生きていく」という大きな目標があるだけで、「いつまでにこうなる!」といった短期的な計画はあまり立てないようにしています(笑)。
そういう計画があっても、思い通りにならないことは仕事でも日常生活でも多々あることですし、そのことで焦ったり、本来の目標や目的、自分自身を見失っては、結局、本末転倒だと思うからです。
それよりも予想外の展開も楽しめる自分になりたい。自分が納得出来てさえすれば、結果、遠回りになっても良いと思ってます。
たとえば、僕も上京したてのアシスタント時代には、あちこちの会社にお使いに出されました。その時は「こんなことをしている場合じゃない」と、内心、嘆いていましたが、今思えば、その経験が東京の雰囲気や仕事の流れを感じるのにとても役に立っていた。そういうことって、あらゆる場面にあると思います。だから、その時の視点だけで環境を判断しないことが大切ではないでしょうか。
大きな目標さえ見失わずに進めば、どのような経験も“道”になるはずです。
それから、なるべく多くの人と接することを勧めたいですね。それが仕事に直結する人間関係かどうかは、あまり関係ない。人と知り合い、表面的な付き合いから踏み込めた分だけ、自分の世界にも広がりが生まれるのではないでしょうか。
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