月刊 生業(なりわい) ―エッジな人のおシゴトスタイル大公開―

出発点であるメルマガ発行をライフワークにWebの最新情報をキャッチアップして伝えたい。

プロフィール
原 一浩 1976年静岡県生まれ。Webデザイナー
株式会社エフエックスビイ/kara design/Design Wedge 代表。
1998年にWebデザイナーとして独立。同年、Webデザイン専門のメールメディアDesign Wedgeを発行。Webデザイン業務の傍ら、海外のWebデザインに関する情報発信および、研究・開発を行う。近著に「Flash 逆引きデザイン事典」「プロセス オブ Webデザイン」「Web Designing」「Web Creators」などの雑誌への寄稿多数。2006年、株式会社エフエックスビイを設立。Web検定の委員も勤める。空飛ぶ株式会社の設立に参加し、モバイル向けのサービスをオープンさせた。

今の仕事を生業にしようと思ったきっかけ

原 一浩さん写真父親がPCをもっていて、小さな頃からゲームなんかで遊んでいたんですね。でも、その頃は将来のことなんて考えているわけもなく、この業界に進むきっかけは、ずっと後の大学4年の卒論の時のこと。大学は経営学部情報管理学科に進学してインターネットを身近なツールとして使うようになったんですが、あくまでも利用者としての域を出なかった。自分が作り手になるなんて想像もしていませんでしたね。ところが、大学4年の時の卒論のテーマでCSチューナーをテーマにしていたところ、そのチューナーが壊れてしまった。そこで急遽、「ホームページをつくる」にテーマを切り替えちゃったわけです。後で考えれば、これが運命の分かれ目でした。もし、このときにホームページを卒論テーマにしなければ、今の自分はなかったでしょうね。

で、この卒論づくりでは、「クールなホームページの条件とは?」というアンケートをインターネット上でリサーチしたんですね。もちろん、世界中から。リサーチしていく中で、すごい作品に出会ったりして「これは面白い!」って、Webに開眼したんですね。実は僕の活動の場である「kara design」が生まれたのも、このとき。僕の名前の「kazuhiro」と苗字「hara」からネーミングしてロゴも作りました。それが僕のWebデザイナーとしての出発点ですね。この卒論がきっかけで、世界のWebデザインに関する情報を紹介する、Karaデザイン発行のメルマガ「Design Wedge」を始めたんです。それが大学を卒業した年の1998年で。ちょうど「まぐまぐ」も同じ頃メルマガサービスを開始したので、「Design Wedge」はメルマガとしては結構老舗の部類ですね。

それから、「Design Wedge」を発行しながら、Webデザイナーとしても活動をするようになりました。ところがデザインを学んだ経験なんてゼロ。そういう意味で僕のデザインの先生は、メルマガで得た情報なんです。メルマガを作るプロセスで、取材したり、膨大な作品を見ることになりますが、そんな経験の中で自分の感覚やスキルを磨いていきました。今のようにWebデザイナーが花形職業として注目されていなかった時代は、Webデザインを手がけていたのもほとんどがグラフィックデザイナーでしたが、当時もスゴイ作品はいっぱいありましたよ。そんな作品と出会うことでいろいろなことを学ぶことができましたね。

仕事に対する基本スタンス

原 一浩さん写真早いもので、この世界に入って10年になりました。今は、企業や商品のオフィシャルサイトの構築やFlash制作に携わりながら、執筆活動やメルマガの発行も行っています。主体はWebサイト制作ですが、僕の仕事のスタート地点であるメルマガの発行はライフワークというスタンスで取り組んでいます。やはり、最新の情報をキャッチアップして広く伝えていきたい。それが僕のアイデンティティのようなものですから、この姿勢はこれからもずっと変わらずに貫きたいですね。

それらと共に取り組んでいるものに「Web Designing」「Web Creators」などでの執筆や「Web検定」の委員も行っています。もちろん、こうした活動もWebの世界をもっと広く知ってもらいたいという思いからなんです。Webデザインは誕生してから日も浅いし、日々進化していますから、基礎的な知識や技術をできるだけ多くの人にわかりやすく伝えたい。それが僕の基本スタンスです。

自分でWebサイトを制作したり、雑誌やメルマガで執筆しているわけですが、そんな仕事で一番大切だと感じるのは、やっぱり好奇心ですね。Webの世界は技術がどんどん進化していくので、情報アンテナを立てておくことは重要です。でも、技術を追いかけるだけじゃ意味がない。技術はあくまでも表現するためのツールですから、これで何ができるのかを考えていますね。そういう意味で好奇心は欠かせない。僕が表現するための原動力といってもいいでしょうね。

未来のクリエーターたちへのメッセージ

自分で言うのもヘンなのですが、けっこう直観力が強いんですね。何かを始める場合でも、先にイヤな予感が感じた時は、高い確率で当たってしまう(笑)。でも、人間って誰もが直感をもっていますよね。何か行動を起こすときに、その直感を信じてみるのもひとつの方法ですね。例えば、転職する際でも「この仕事がいい」とか「この会社がいい」と感じたら、その感覚を信じて走ってみてもいいと思うんです。

逆に「いい」と感じているのに、いろいろなケースを想定して諦めるのがいけない。アクションを起こさないと何も始まりませんから。そしてスタートしたなら、恐れないで突っ走る。もちろん、スンナリといくことばかりじゃないけど、いろいろな経験が自分をきっと鍛えてくれるはずです。僕もWebデザインのことを知らないに等しい状態から、メルマガ「Design Wedge」を始めた。そのアクションが今日につながっている。まずは直感を、そして自分を信じること。そこからすべてが始まるような気がしますね。

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