「オペレーションやディレクションもデザインの延長線上にある」自分のアクションひとつで、「つまらない」仕事を「面白く」。

弁護士ドットコム株式会社
クラウドサイン事業部 Des/Dir/CS-R/CS-O チームマネージャー 佐伯 幸徳さん

弁護士に無料で法律相談できる「みんなの法律相談」や、地域や分野などから弁護士や法律事務所を探せる「弁護士検索」など、法律トラブルの解決をサポートするコンテンツを多数用意した、日本最大級の法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」。「専門家をもっと身近に」という理念を掲げ、依頼者と弁護士をつなぐプラットフォームとして広く知られるようになりました。

契約締結から管理まで可能なクラウド型の電子契約サービス「クラウドサイン」を運営するのも同じく弁護士ドットコム株式会社。契約書の保管・管理のほか、発注書・請書・納品書・検収書・請求書・領収書など、さまざまな対外的なやりとりに利用でき、最近ではあらゆるビジネスシーンで見られるようになりました。

今回インタビューさせていただいたのは、2008年に弁護士ドットコムに入社された佐伯幸徳さん。前職にてプログラマ、Webデザイナーを経験し、弁護士ドットコムにはディレクターとして入社。

2015年から社内新規事業のクラウドサインの立ち上げに参画し、現在クラウドサイン事業部のデザイナーチーム、ディレクターチーム、カスタマーリレーションチーム、カスタマーオペレーションチームのマネージャーを兼務し、マルチにご活躍されています。

…実は同メディアで2017年に一度取材させていただいたことがあるのですが、今回は、事業のお話ではなく、ご本人のキャリアに関してたっぷりお話しいただきました!

プログラマの経験を生かしデザイナー、その経験を生かしディレクターに

佐伯さんはプログラマ、Webデザイナーを経験し、弁護士ドットコムにはディレクターとして入社されたということですが、どのような経緯でキャリアチェンジされたのでしょうか?

佐伯

もともと『攻殻機動隊』のような世界観のUIを作りたいと思っていまして、それを作るにはプログラミングの知識が必要ということで、文系だったのですが新卒・未経験でプログラマ職に就きました。

2年ほど経ってプログラマとしての基礎の基礎を経験させてもらったくらいのときに、Flashが盛り上がり始めて、「これなら自分のやりたいことができる」と思って、プログラマのスキルを活かしたデザイナーとしてWebデザインの仕事をするようになりました。

ところが、デザイナーとして最初に入った制作会社が9ヶ月くらいでなくなってしまったんです。

きゅ、9ヵ月でなくなっちゃったんですか…!

佐伯

そうなんです。で、そのままフリーランスに転身。そこでお金の流れをちょっと勉強して、もう一回制作会社のデザイナーに戻って2〜3年仕事をしました。

結構20代で色々な経験をされていますね!

佐伯

そうですね。制作会社はコマーシャルサイトを作るような案件がメインでした。とにかくスピード感のある仕事環境だったので、スキルアップをめちゃくちゃ実感できるし楽しかったのですが、二徹、三徹が当たり前の激務で。

ちょうど30歳になり結婚も予定していて、ちょっとだけ会社の雲行きが怪しくなってきたタイミングだったのもあり転職を考えました。その時転職エージェントに紹介してもらったのが弁護士ドットコムです。

入社の決め手は何ですか?

佐伯

創業者であり、現在は会長の元榮太一郎に会ったんですけど、目力とエネルギーのすごさに圧倒され「この人と一緒に仕事したら面白そうだな」と感じたのが理由です。

一番衝撃だったのが「うちは今売上ほとんどないよ。けど世の中のためにこのサービスは絶対必要だと思ってる。だから協力してくれる人を求めています」って面接で言われたこと。普通面接でそういうこと言わないじゃないですか。

ほとんど元榮の人柄に惹かれて入社を決めました。ちなみに僕は社員番号11番。当時は法律事務所の一角を間借りしているような狭いオフィスでした。

弁護士ドットコムにはデザイナーではなくディレクターとして入社されたということですが、何か心境の変化があったのでしょうか?

佐伯

30歳を目前にして、自分が40歳、50歳になった時のことを考え、「このままWebデザイナーをやってられるのかな?」って思ったんです。制作会社には自分がたどり着けないデザインをサクッと作ってくる人がいたりして、デザイナーとして最前線で戦うほどのデザインスキルは自分にはないなと…。

あと、自分の性格上、何かのエキスパートとして尖り続けるより、広く浅くマルチに仕事する方が好きだし、得意と考えていたというのもあったと思います。

佐伯

それと、大学時代は経済・経営を学んでいたり、父親が税理士だったりして、お金周りのことも業務でやっていきたいと思ったんです。デザイナーのキャリアについて話す時にBCT(ビジネス、クリエイティブ、テクノロジー)って言葉が使われていますが、自分の場合は、よりビジネスがわかるクリエイターになりたいというのが強かったんですね。

制作会社から転職し、職種もデザイナーからディレクターに変わっていますが、不安はなかったんでしょうか?

佐伯

当時は若い時特有の万能感みたいなものがあったので不安はなかったです(笑)。デザイナー時代に色んなディレクターの人たちと仕事をしていて、「自分の方が優秀なディレクターになれる」と思ったりして…まあ実際やってみるとディレクターってすごく大変で、その人たちと比べると全然パフォーマンス出てないなって感じて、無力感も感じたりしましたが(笑)。

ただ、自分が持っている能力を弁護士ドットコムでも活かせるという根拠のない自信があったので「多分大丈夫だろうな」と。

入社当初、佐伯さんはどのような仕事をされていたんですか?

佐伯

一応ディレクターで入ったんですけど、デザイナーの数もエンジニアの数も足りなかったので、バナー作ったり、コーディングもしたり、結構なんでもやっていました。弁護士ドットコムに入って一年経たないくらいで前の制作会社で一緒だったデザイナーを連れてきて、そこからは彼女と二人三脚でデザインなど色々作ってきた感じですね。

自分で「こういうものを作った方がいいんじゃない?」と手をあげて仕事していた感じなのでしょうか?

佐伯

プロダクト側に関しては自分がやりたいと手を挙げていましたが、飛び込みで入ってくる作業は元榮がアイディアを出してくるものが多かったです。「弁護士向けならこういうのがいい」とか「絶対刺さるから今これをやった方がいい」とか。それを実際どう落とし込むかは僕に任せてくれるという感じでした。

業務の範囲や職種、業界が変わって、仕事としてのやりがいも変わりましたか?

佐伯

そうですね。クライアントワークではなくインハウスなので、以前よりプロジェクトの上流から携われるようになったのは嬉しいですね。あとは、多くの人に継続的に影響を与えられるのでやりがいがあります。

佐伯

制作会社で作るコマーシャルサイトって3ヶ月かけて作ったものが3ヶ月で掲載終了したりするんです。更新する時に裏側でテキストデータの入れ替えの仕組みとかは用意しますが、「ここが使いづらいから改修しよう」とか、継続的にユーザーにアプローチするってことが基本的にできない。そういう部分では今やっている仕事は継続的に結果が追えるので、PDCAも回しやすいです。

かっこいいデザインより使ってもらえるデザインを

弁護士ドットコムに入ってから壁にぶつかったような経験はありましたか?

佐伯

制作会社出身だったのでやっぱりかっこいいデザインが良いと思って作っていたんですけど、元榮には結構バッサリ却下されてましたね。

「かっこいいけどこれじゃ使ってもらえないよ。使いやすさとかっこよさはリンクしてないよね」「一歩先のデザインとかいいから半歩先くらいにして」って。

その時に自分の作っているデザインについて考え直して、「どうやったら多くの人に使ってもらえるようになるか」をサービスとして突き詰めるようになりました。

佐伯

『デザイン思考が世界を変える』という本が好きなのですが、その中でAMTRAKというアメリカの高速列車サービスを運営する会社が紹介されています。

サービスを良くするために最初は列車の快適性だけを追求していたんですが、途中からデザインファームが入って、実際に旅をして、旅のプロセスを表すジャーニーマップを作成したんだそうです。そしたら列車に乗るのって旅の中で10ステップあるうちの8ステップ目だったそうです。あとはチケットを買ったり、駅まで車で移動したりとか。

…そこで列車の快適性だけじゃなく、列車に乗るまでのステップを改善したら、ユーザー評価がものすごく上がったらしいんです。

佐伯

自分が作っているUIも、ユーザーに実際に使ってもらえるのは10あるステップのうちの8ステップ目くらいなんじゃないかと思ったんです。サービスを作ったら、マーケの人が認知を作ってくれて、セールスの人がコンバージョンしてくれて、カスタマーサクセスの人がロイヤルな顧客に変えていく。こういうサイクルがサービスの中にあって、このすべてを含めて「デザイン」するということが僕のやりたいことだと思ったんです。

サービスとしての機能の部分だけじゃなくって、トータルでユーザーの体験を作り上げていくことが、佐伯さんのおっしゃる「デザイン」なんですね。

佐伯

はい。今はディレクターとかプロダクトオーナーとか色々な仕事をやっていますが、自分的には全部デザインの延長線上にある仕事だと思っています。

土下座しに行って大丈夫なレベルであれば周りに仕事を任せる

10年いて感じられる弁護士ドットコムという会社の魅力はありますか?

佐伯

10年変わらずに思っているのが、社員全員人が良いってこと。一緒に仕事をしていて面白いと思う人が本当に多いです。おそらく「社会の役に立ちたい」という想いで入社される人が多いからなんだと思います。

世の中を便利にしたり、困っている人を助けたり、社会貢献性が高いサービスならではですね!

佐伯

そうですね。それに、全社としては会長の元榮や社長の内田が、クラウドサインでは事業部長の橘が、考えを積極的にアウトプットする人なので、その辺に共感して入ってくる人が多くて、組織として価値観が浸透していると感じます。

佐伯

彼らは似ているところがあると個人的に思っていて、「仲間のことをしっかり尊重」してくれるのでそこが好きです。

「デザインのことはわからないから、そこはお前が決定していいよ」って信頼して任せてくれる。でも変だと思ったら意見もされます。

それに対して、こちらが答えを用意出来たら「なるほど、やってみたら」と信頼して投げてくれる。そういうのがチームに浸透していると感じられるのも魅力的だと思います。

マネージャーとしてもご活躍されているということですが、マネジメントで心がけていることはありますか?

佐伯

元榮や内田、橘が信頼して仕事を任せてくれるというのもあり、僕もなるべく周りの仲間たちを信頼して仕事を任せるようにしています。仕事で成長するためには、やらされてする仕事の失敗より、自分で率先してやった仕事の失敗が必要だと思うんです。

だから僕が土下座しに行って大丈夫なレベルであれば、失敗させてもいいかなと思って仕事を任せていますね。それができなさそうな場合は、「一緒にやろう」と言ってます。

マネージャー職だと、「自分が手を動かしたい」「人に任せるより自分がやった方が早そう」という葛藤があると思うのですが、その辺の悩みはどうしていますか?

佐伯

確かに定期的に自分が手を動かしたくなるのですが、面倒臭がりなんでやってもらった方がいいかなって(笑)。

プロフェッショナル&リスペクトの精神を大切に

これまでスムーズにキャリアを積まれてきた佐伯さんですが、仕事をする上で大切にされていることはありますか?

佐伯

「Day0」っていうクラウドサインチームで作った造語があるのですが、「文化祭前夜みたいな忙しさとワクワク感を持って仕事しよう」という意識を持っています。ルーティンワークももちろん必要ですけど、より改善できる方法もあるし、自分が楽しいと思う方法に変えるのもアリだなと。

「手を抜くな。楽をしろ」って言葉が自分は好きで、100回同じことをするより1回で自動化する仕組み作るほうがワクワクします。

佐伯

「仕事がつまんない」って思った時につまんないままにしないで、「ここ変えてやろう」って考えるのが楽しいですね。「どうやって面白いことしようか?」って考えたり、つまんなそうにしている人にどうやって面白そうにしてもらえるか考えたり、そういうことは気をつけています。

20代は給料の高さより楽しいと思った仕事をする方がいい

今後、会社として目指していきたいことはありますか?

佐伯

クラウドサインを日本国内誰もが知っているサービスにしたいですね。そうなるための過程に自分がやりたいことは全部入ってくるし、逆にそこを目指してやっていかないとやっている意味はないかなと。

キャリアに悩まれている人に対して、アドバイスがあればお願いします。

佐伯

とにかく自分が面白いと思うことを全力でやった方がいいと思います。特に20代は給料とかにこだわるより、やりたいことにフルコミットできる環境にいた方がいいと思います。その時に獲得した何かはそのあとに絶対生きてくるし、熱量あってやった方がそのあと絶対給料にも反映されると思うんで。面白いと思うことにずっとコミットする方が魅力的な人になると思いますし、自分が一緒に仕事したいと思う人もそういう人ですね。

あとは「この人と一緒に仕事したい」「この人と一緒にいたら楽しい」と思えるような人と出会うこと。そのあとの成長が違ってくると思います。

会社としてのミッション意識も強く持ちながら、自分が楽しいと思うことを、面白いと思う人とひたむきに仕事をされてきた佐伯さん。その言葉の数々には様々な経験をされたからこその説得力が感じられました。お時間をいただき、ありがとうございました!

会社名 弁護士ドットコム株式会社
代表者 代表取締役会長 元榮 太一郎
代表取締役社長 内田 陽介
設立 2005年7月
所在地 〒106-0032
東京都港区六本木4-1-4 黒崎ビル6階
事業内容
  • 弁護士ドットコムの開発・運営
  • 弁護士ドットコムニュースの運営
  • 弁護士ドットコムキャリア・EXCAREERの運営
  • BUSINESS LAWYERSの開発・運営
  • 税理士ドットコムの開発・運営
  • 税理士ドットコムトピックスの運営
  • クラウドサインの開発・運営
  • Legal Tech Labの運営
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