転職活動の準備にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。転職活動をしようと思ったとき、費用の目安がわかれば準備もしやすいというものです。
就職活動にかかる費用は何があるのか、また転職活動中に経済的な助けとなる失業手当についても解説します。
転職活動の費用は3~4カ月分の生活費が目安

転職活動の準備に必要となる費用は3~4カ月分の給料が目安です。転職活動は少なくとも2カ月かかります。さらに、転職が決まり新しい会社に就業したとしても、給料日まで1カ月はかかります。
これをふまえると、転職活動の費用として3、4カ月分の給料を準備しておきたいところです。
転職活動にかかる費用の内訳
いざ就職活動をしてみると、最初に思っていたよりも出費があったという話もよく聞きます。
転職活動で必要になる費用といえば履歴書代や証明写真代、郵送代ぐらいに思いがちですが、それ以外にもかかる出費はあります。たとえば以下の項目が挙げられます。
- 家賃
- 光熱費・水道費などの生活費
- 交通費
- 宿泊費(遠方への就職活動の場合)
- 移動先での飲食代
- 時間調整のために入ったカフェの飲食代
- 面接時に必要とする諸経費(スーツ、靴、バッグなど)
- 履歴書代、切手代、封筒代、筆記具代、証明写真代
- 情報収集などを目的とする書籍代など
転職活動中も家賃や光熱費などの生活費がかかります。在職中に転職活動を行うのであれば、収入があるのでとくに意識されませんが、退職後に転職活動をする場合は無収入での求職活動となります。
そのため、家賃や生活費は経済的に大きな負担となりえます。
また、転職活動で意外と負担になるのが交通費です。地方に住んでいる場合は交通費が高くなるうえ、宿泊費もかかります。
就業場所は近くても、面接場所は本社のため高速バスや新幹線を使って移動することもありえます。
退職後の転職活動は住民税などの支払いに注意
退職後に転職活動を行う人は、先ほど述べたもののほかに、住民税や国民年金、国民健康保険の支払いもあります。
- 住民税
- 国民年金
- 国民健康保険
- 引越し代(内定で転居する必要がある場合)
いずれも数千~数万円単位と家計のなかでも大きな割合を占めるので負担に感じやすい傾向にあります。
税金関係は在職中には給料から天引きされることから意識されることは少ないかもしれませんが、退職後に納付書が届きその金額の高さに驚いたという声もあります。
雇用保険手当を転職活動の準備金に充てるのもひとつの手

退職後に転職活動をする場合、条件を満たしていれば雇用保険の基本手当(失業手当)が受給できます。
この基本手当を転職活動の費用や生活の足しにするのもひとつの手でしょう。
雇用保険とは
雇用保険とは勤務先を退職したあと、次の就業先が見つかるまでのあいだの失業手当を受給できる保険です。
保険料は会社の給与から天引きされています。
失業手当の受給条件
失業手当を受給するには一定の条件を満たしている必要があり、受給者がどのような形で会社を退職したかによります。
ここでは自己都合で退職した場合について解説します。自己都合で退職した場合でも、正当な理由がある場合とない場合で受給条件が変わります。
正当な理由がある場合
正当な理由とは、傷病や家族の介護、配偶者の転勤など、やむをえない理由で会社を退職せざるをえない場合を指します。
正当な理由がある場合の失業手当の受給条件は以下の2点です。
- 離職日以前の1年間に被保険者期間が6カ月以上あること
- 7日間の待機期間が終わればすぐに基本手当の支給が開始
正当な理由がない場合
一方、転職や起業のために自発的に離職するケースは正当な理由がない場合に該当します。
以下の2点が受給条件となります。
- 離職日から前の2年間に被保険者期間が1年以上あること
- 7日間の待機期間に加えて、3カ月の給付制限がある
待機期間とは、ハローワークへ離職票と求職申し込みを提出してから失業手当の給付までにかかる期間のことで、7日間が設定されています。
さらに転職の場合、受給までにおよそ3カ月はかかることを念頭において転職活動をしましょう。
また、失業手当を受給している間、早い時期で内定が決まれば再就職手当が給付されます。
失業手当の受給中は1カ月ごとに報告義務がある
失業手当が受給されたあとも、1カ月ごとにハローワークへ経過報告をする必要があります。この報告を怠ると次月以降の失業手当が受給されないので注意しなければなりません。
ハローワークは住んでいる地域ごとに決まっており、さらに報告自体も日時が決まっているので、面接や説明会でスケジュールが忙しくなると負担に感じることもあります。
さらに、ハローワークには最低でも2つ以上、企業への求人応募をしたことを証明しなければなりません。ハローワークを通じて応募した企業であれば、データが記録されているので詳細を伝える必要はありません。
しかし、ハローワークを経由せずに応募した企業は、面接まで選考が進んだ場合、その企業に証明書を出してもらう必要があります。
雇用保険以外の補助制度
雇用保険以外にも、転職活動に役立てられる制度が存在します(いずれも受給するには一定の要件を満たしていることが必要です)。
- 職業訓練給付金
- 傷病手当
いずれも次の仕事が決まるまでに大きな助けとなりますので、うまく活用しながら転職活動を進めましょう。
転職活動の費用はあればあるほど安心

在職中であるかないかに関わらず、貯蓄はあればあるだけ安心して転職活動を行えます。
また、冠婚葬祭など予期せぬ出費もつきものなので、余裕をもって費用を工面したいところです。
転職活動を行う前に月にかかる生活費を計算し、少なくとも3、4カ月分の費用を準備してから転職活動に入るのが理想的です。