株式会社パートナー
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私たちが日常的に利用する家電製品の他、工場などに設置されているセンサーなど、独立して動作する製品を動かすプログラムである「組み込みソフトウェア」を開発する職種を「組み込みエンジニア」と呼んでいます。数あるIT系の職種の中でも高度な専門性を要するイメージがありますが、ここでは具体的な組み込みエンジニアの仕事内容と、身につくスキルについて解説します。
「組み込みエンジニア」は主に、「製品や装置の中に組み込まれた小型コンピュータ」などをメインに開発します。例えば近未来の自動車には、カーナビゲーションや自動運転機能などが必要不可欠なものです。多種多様なものがインターネットに接続する「IoT技術」の発展によって、需要が増している職種と言えるでしょう。
ここでは、組み込みエンジニアの仕事内容を解説します。IT分野の中でも需要が高まっている職種のため、どのようなものか理解を深めておきましょう。
製品の企画は、クライアントと話し合いを行いながらどのような製品を開発するかを詰める工程です。具体的には、搭載しようと検討する機能の実現可能性・競合他社と比較した時の優位性・コストバランス面などの数ある問題を検討しながら、現実的な企画案に落とし込みます。システムの完成を大幅に左右する工程であることから、経験を積んだ組み込みエンジニアがこの工程を担当する場合が多いです。
搭載する機能が、ある程度話し合いの中で決まったらシステム設計の作業に進みます。具体的に注意したい点として、例えば組み込みシステムに搭載されるUSBやHDMIなどの機能を、設計した仕様に準拠させることが求められるのです。
搭載しようと検討している機能の規格が違うだけでも、正しくシステムとして機能しなくなってしまうため、システム設計段階で注意を払う必要があります
電子基板の設計作業も業務範囲のひとつです。近年は電子製品の小型化によって基板サイズも縮小傾向にあります。そのため、多くの機能を搭載することを考えながら無駄のない効率的な設計をすることが求められるのです。
電子機器は汎用的な製品をどう組み合わせるかによって、基板をどれだけ小型化できるかが左右されます。この部分が組み込みエンジニアとしての腕の見せ所とも言えるでしょう。
また、機能面をこだわって設計したシステムも、ユーザーの安全と安心が担保できなければ販売する製品として成立しません。人の命にも関わる事故につながる可能性も十分に考えられるため、安全性・耐障害性などにも十分に配慮して設計することも重要なポイントと言えるでしょう。
実際に設計を行なった後は、システムのプログラミングを行ないます。プログラミングが完了すると、機能面・安全面に問題がないかをあらゆるケースで検証するためにテスト段階に進みます。
組み込みエンジニアとして経験の浅い方は、基本的にはこのプログラミングとテストの業務を担当することからスタートします。「プログラムそのものに問題がないか」「基板に問題がないか」など、あらゆる角度からテストを繰り返すのです。
最後には、実際の使用環境を想定した場所での耐久性までチェックします。他のIT職種と異なり物理的な機器も扱うため、テスト工程は大幅に増加する傾向にある点も組み込みエンジニアの特徴と言えるでしょう。
製品がリリースされた後に行う工程であり、使用している中で発生するバグの修正をメンテナンス作業を通じて行います。その他にも、「さらに機能を強化したい」などの要望を汲みながらバージョンアップ作業を担当することもあります。
組み込みエンジニアになるために、どのようなことが必要なのかを具体的に解説します。ソフトウェア内部の知識の他、物理的な基板などにも触れることから、他のIT業種よりもあらゆる角度からの知見が求められるのが特徴です。
基板に関連するスキルは、数多くのプロジェクトを経験しながら身につけていく部分が多いです。しかし、プログラミングスキルについては、会社に入る前からスクールに通うことで力を付けることが可能な部分となります。
実際に組み込みエンジニアでは使わない言語を習得していたとしても、プログラミングを学んでいる方であれば理解するスピードも早く、応用も効くでしょう。このような点から、プログラミングスキルの習得は大切です。
資格だけでその人の能力を測ることはできませんが、資格を持っていることである程度の知識を有していることは証明できます。
未経験だったとしても、資格があるかないかで就職できる可能性は大きく変わります。組み込みエンジニアを目指す方は資格取得を検討するのもひとつの手段でしょう。
組み込みエンジニアは、基板などを含むハードウェアとシステム内部を設計するソフトウェアの両方の知識とスキルが求められるため、他のITエンジニアよりも対応範囲が広く敷居の高い職種と言えるでしょう。
そのため、他のIT系職種でシステム開発の経験を積んでから、組み込みエンジニアに転職するのもひとつの方法です。「より生活に密接に関わるシステムを開発したい」など、キャリアアップとして組み込みエンジニアを目指すのも良いでしょう。
組み込みエンジニアは、ハードウェア・ソフトフェア両方に関わるからこそ他のIT業種では学ぶことのできないスキルとやりがいを感じることが可能です。
ただ、利用するプログラミング言語は1972年から活用されているC言語と、C++がメインであり独自の知識が求められる部分が多く、エンジニア志望の方が組み込みエンジニアをキャリアパスとして選択することを躊躇する場合も決して珍しい話ではありません。
組み込みエンジニアになると、どんなやりがいと身につくスキルがあるのかを具体的に解説します。
近年は、あらゆる分野でITの利活用が進んでいく中で、家電などをインターネットに接続する「IoT技術」の発展・普及が著しく進んでいます。
このような背景から組み込みエンジニアの需要は年々増加しており、あらゆる会社から求められる人材になれる可能性を秘めているのです。その他にも、身近にある製品のシステムに関わることができるやりがいも感じられるでしょう。
組み込みエンジニアは、エンジニアの作業工程である「企画」「設計」「プログラミング」「テスト」にハードウェア・ソフトウェア両方の視点で作業が必要になることからあらゆるスキルが求められます。
ただ、言い換えれば広い範囲でシステムに関わることができる点こそ、他のIT職種では身につけられないスキルとも言えるでしょう。
システム設計の進め方の他、エンジニアとして求められるプログラミングスキルなどが必要になることはもちろんのこと、ハードウェア系の知識として回路図を読む力なども求められます。
その他にも、論理回路・アナログ回路などに付随する専門的な知識も仕事を通じて身につけることが可能です。
どのシステムでも、ユーザーのミスを考慮したシステム設計は行われますが、ハードウェアと密接に関わる組み込みエンジニアにとっては、意味の重さが大きく異なります。
もしユーザーがミスをしてしまえば、ハードウェア側が誤動作を起こして人命を奪ってしまう可能性も考えられるのです。ユーザーがどのようなミスを起こすのかを的確に分析してシステムを設計するスキルは、業務を経験していく中で否応なく身につくスキルでしょう。
組み込みエンジニアとして、高品質な機能を追求することと同時に「基板の中にいかにコンパクトにまとめるか」が大切な要素となります。
また、どの基板を使い、どのような思想で設計すればコストを最小限に抑えられるかなども業務を通じて身につくスキルとなるでしょう。
ソフトウェア・ハードウェア両面に関わることができる組み込みエンジニアは、専門的な知識が必要になる仕事の特質上、慢性的な人手不足であり、転職市場でも多くの企業が好条件で採用に力を入れています。
具体的に組み込みエンジニアを目指したい方に向けて、どのような人が向いているかを解説します。
冷蔵庫がその日の食材からレシピを教えてくれたり、必要な食材を教えてくれたりする機能は、近年IoT技術が浸透したことによって生まれた組み込みエンジニアが関わる技術のひとつです。
その他、携帯電話もこの数年で多機能になっていることを踏まえても、組み込みシステムは暮らしの中で欠かすことができないシステムになっています。
このような私たちの生活の中に密接したシステムに関わりたい方にとって、組み込みエンジニアはおすすめの業種と言えるでしょう。
組み込みエンジニアは、あらゆる操作パターンの他にもユーザーの失敗などを全て想定してシステム設計を行う必要があります。これらのパターンを全て想定した上で、システムが設計した通りに動いてくれることに喜びを感じられる方にとって、組み込みエンジニアはやりがいを持ちながら仕事ができる業種と言えるでしょう。
ソフトウェア・ハードウェアを両方扱うことも組み込みエンジニアの特徴ですが、実際に扱うハードウェアが車・家電・携帯電話など変化すれば、考慮する設計条件なども大きく異なります。
また、どのハードウェアのシステムを開発するかによって、その都度専門的な知識を学ぶこともできるのです。専門性に特化した内容を学び、替えのきかない人材を目指したい方にはおすすめの職種と言えるでしょう。
組み込みエンジニアは、他のIT職種と違って専門性の高いスキルを身につける必要があることから、初心者の方が選択することに迷ってしまうかもしれません。
しかし、今後IoT技術の発展などで多くの需要がある分野であり、専門的な部分に特化していけば多くの企業に求められる人材になれる可能性も秘めているのです。
現在、組み込みエンジニアを目指す意欲がなかったとしても、他のIT職種で多くの経験を積んでから組み込みエンジニアになれる選択肢も持っておくことは、将来のキャリアを決める上でも役立つでしょう。まずは、組み込みエンジニアについて深く知り、自分のキャリア決定に生かしていきましょう。