
株式会社THECOO
代表取締役CEO 平良真人さん & 取締役COO 下川弘樹さん
「iCON CAST」、それはYouTuberと、彼らに自社プロダクトを紹介してもらいたい広告主をマッチングするサービスです。影響力を持つYouTuberらの力を借りてプロモーションを行う手法は「インフルエンサーマーケティング」と呼ばれ、すでに海外では非常に活発に行われており市場も急拡大中ですが、日本はまだまだ出遅れている状況。そこに一石を投じたのが「iCON CAST」なんです。運営会社であるTHECOOは、ベンチャーキャピタル各社からの多額の資金調達を実施したばかりの超注目企業!今回はこちら、THECOOさんにお邪魔してきました!
オフィスは目黒駅からすぐ近く。…すごくおしゃれな感じです!
かっこいいぜ…ん?右下になんか書いてある。
「色即是空」と書いてありました。これは、THECOOの社名の由来になっている言葉なんだとか。
オフィスに入ります…!
メゾネット!
上に上がるとこんな感じ。太陽光が降り注ぐ、とても明るいオフィスです。
階段脇には、こんなアートが。代表の平良さんは、なんと三度の飯よりROCK好き、なんだとか。このアートもROCKな感じがめちゃくちゃ出ています。
おしゃれなオフィスに興奮していると…いらっしゃいました!
恐れ知らずのGoogle仲間が集結、「iCON CAST」の誕生
Googleでの同僚同士で起業したと聞いていますが…そんなイケてるキャリアを捨てるって、勇気がいることですよね。
平良
Googleではできないこと、僕らにしかできないことをやりたくなったんですよね。全く無名で、看板なしの過酷な環境から、新しいなにかをしてみたかったという気持ちが強くて。
起業理由もRock…!
創業してからしばらくは企業向けのマーケティングコンサルティングで売上を立てていたそう。また、並行して色々なWebサービスを試作し続けていたんですって。
平良
いやー、ホントにいっぱい失敗しましたよー。まあ失敗してもすぐ次の挑戦をするのが僕らなんですよね。Google辞めちゃうくらいの人間だから、皆恐れ知らずの超・セルフスターター。それで、色々試した中のひとつが「インフルエンサーマーケティング」だったんです。
あるゲーム会社の海外進出コンサルティングを行っていた時のこと。ソリューションのひとつとして、海外YouTuberとタイアップしたプロモーションをしたんだそう。「iCON CAST」の誕生は、それがきっかけでした。
平良
か・な・り、面倒だったんです(笑)。海外プロダクションと連携して行ったのですが、期待値のコントロールやクリエイティブなど含め、クライアントにフィットするYouTubeクリエイターを見つけるのが相当大変だったんです。日本でも動画によるPRニーズはかなり加速していましたし、企業とYouTuberをスムーズにマッチングできるサービスがあれば、かなりいいよね、と。
YouTuberたちの「待ってました!」なリアクション
こうして2014年に「iCON CAST」が誕生。「すぐ反応があって、ビックリしました」と平良さん。
平良
「いいサービス始まったよ」とYouTuberの皆さんが一気に拡散してくれて、数日で数百のYouTuber登録があったんです。皆で焦りました、「やば!クライアントがいない!」って(笑)。
その後、すぐ営業に出かけたそうです(笑)。
平良
おかげでバリエーション豊富なYouTuberさんが集まりました。_現在はいわゆる「人気YouTuber」の方や、主にアジアの海外YouTuberの方まで広くご登録いただいていますが、当初は比較的登録者数が少ない方や、中堅どころの方々が多く集まりましたね。
この状況からスケールさせていくことこそ、Google出身・平良さんの腕の見せ所だったとか。
平良
Google Adsenseをスケールさせた経験が活きました。Google Adsenseもスタート当初はごくごく普通のブログユーザー、いわゆるテールから一気に広がっていったんですよ。その感覚を知っていましたから確信がありました。
データドリブンの世界から、「データがない世界」へ
そもそも、必ずしもカリスマ的なYouTuberを起用すればいいというものではなく、あくまでPRしたいターゲットに近いファンを持つYouTuberさんと出会えることが大事、と平良さんは言います。
平良
「iCON CAST」は、法人のお客様が「どういった目的で、どういったPRがしたいか」という案件内容をサービスにアップすれば、登録YouTuberからアイデア付きで応募が来るという、いわばクラウドソーシング的な仕組みです。
サービスの仕組みはこんな感じ。
平良
企業側は各YouTuberに付いているファンの属性等のデータを見ることができますから、そこから目的に応じて選べばいい。ただ、まだまだ「どの人を選べばいいかわからない」という企業様が多いんですね。
そのため、現状はTHECOOのメンバーが企業に寄り添い、選定等のアドバイスを行なっているそうですが…
平良
本当はここも自動化したいんです。精度の高いレコメンデーションがシステム上でできれば、企業側としても利用しやすいでしょうからね。定性・定量データを見ながら、機能追加を精力的に行なっているところです。ただ、やはり非常に難しいですね、クリエイティブは。
動画というクリエイティブはあくまでも感性。仮説通りに結果が出るとは限らない、変数だらけの世界。でも…そこを追求して深堀して、データとして「見える化」したい、と平良さんは意気込みます。
平良
なにせ僕らはGoogle出身です。データドリブンでマーケティングするクセが染み付いているんですよね。だからそもそも「データないじゃん!」ていう点がすごく面白かったんですよね、いや、データが無いわけではないんですが…YouTubeがアナリティクスでデータ提供していますからね。ただ、あくまでクリエイター向けのツールですから、プロモーションに活用できるように「見える化」はされていませんでした。
そこで「見える化」していった、と。
平良
そうですね。その精度を現在も高めて続けているところです。将来的に、サービスを自動化して、企業がインフルエンサーマーケティングをより気軽に活用できるようにするには、このプロセスは不可欠ですから。
動画制作≠インフルエンサーマーケティング
それにしても、利用企業が増えているみたいですね。
平良
そうですね、現在、圧倒的に多いのがゲーム会社さん。続いて、ファッションやコスメが多いかな。あとは旅行系、賃貸などの不動産系企業など。
BtoCサービスであれば、どのようなサービスでも馴染むだろう、と平良さん。
下川
ただまあ、インフルエンサーマーケティングの概念はまだまだ浸透していませんから、大変なことも多いですよ。当分は私たちが率先して啓蒙していく必要があります。
大変なことって、例えば?
下川
やはり「え、こんな動画、大丈夫なの?」って驚いて、心配される企業様もあるわけです(笑)。自分のファンが何を面白いと感じるか、一番理解しているのはYouTuber自身なので、公序良俗に反していない限り、動画の方向性はYouTuberに任せているので、そりゃ驚きの動画も上がってくる(笑)。
そのため「これこそがインフルエンサーマーケティングであり、動画制作サービスではないんです」という点をご理解いただき、啓蒙することも大切な仕事だ、とのこと。
インフルエンサーはYouTuberだけじゃない
なるほど。メディア「RIPPLY(リップリー)」の運営を始められたのも、そういう背景があるんでしょうか。

こちらがインフルエンサーとマーケティングについて考えるメディア「RIPPLY」
インフルエンサーは、YouTuberに限らないですしね。
平良
そうです、我々も新しく「iCON Suite」というサービスを立ち上げ、InstagramやTwitter、SnapchatやVine等、その他の有力なSNSのなかから横断的にインフルエンサーを探せる仕組みを構築しているところです。
おお!それはさらに利用企業が増えそう!
平良
ええ。ただ「データの見える化」は非常に難しいですね。例えばInstagramはYouTubeと違い、データ提供そのものをしていませんし、こちらですべて解析していく必要があります。ただデータ構築が成功すれば、ものすごく効率的に、有効なインフルエンサーキャスティングを行なうことができるようになるでしょう。
平良
ええ。今後はインフルエンサーの種類もより増えていくでしょう。VRやARなど新しい表現手段が出て来ていますから、そうした技術を多様した新たなるインフルエンサーは次々と出てくるはず。ぜひ取り組んでみたいですね。
現場社員が自由意志でサンフランシスコへ飛んじゃう、THECOOカルチャー
海外ではスゴい面白い事例、たくさんありそうですねえ。
平良
ええ、今エンジニアが3ヶ月間、サンフランシスコに行ってます。サンフランシスコはインフルエンサーマーケティングが最も進んでる街ですから。現地から、毎日いろんな情報を見聞きしては、興奮した様子で連絡がきますよ(笑)。
へえー!それってエンジニアの方ご自身が行きたいっておっしゃったんですか?
平良
そうそう、ですぐオッケーしましたよ。まあ危険な地域に行くというなら止めますけど(笑)。やっぱり、身を持って体験することが大事。だから私も他のメンバーも、けっこう頻繁に海外には行きます。
ほほう、いやあ自由!「インフルエンサーを世の中に増やして、自由と責任を謳歌できる社会を作るのが私たちの理想です。そのためには我々THECOO自体が、自由と責任を謳歌するインフルエンサーだらけでなきゃいけない」と平良さん。なるほどサンフランシスコにすぐ飛んじゃうのも納得です。
平良
まあそう思っているんで、マイクロマネジメントは全然しません。失敗してもどうせ挑戦するメンバーばかりなので、報告もいらない。とりあえず共有してって言ってます(笑)。
さすが!情報共有のためのコミュニケーションのプラットフォームはしっかり整えているんだそうです。いやあ、毎日どんな情報共有がされているんだろう。きっと刺激的な内容なんだろな…
この日もオフィスのあちこちで情報共有が行われていました。
やー。個性的で楽しそうな方ばかりです!
平良
私たちをもっと刺激してくれる、面白い人、もっと来てくれないかな(笑)国籍も年齢も職種も色々な、多様なチームが理想。Google出身者が多い、と聞くと躊躇してしまう方もいるみたいですが、むしろ「Google?だから何?」ってくらいの人がウチに向いていると思います。
ふふ・・!確かにそうですね。「もちろんGoogleで学んだことはたっぷり教えてあげられますけどね」と陽気に笑う平良さんと下川さん。面白い人が沢山仲間入りすること、取材陣一同、とても楽しみにしています!
今日はどうもありがとうございました!
会社名 | THECOO株式会社 |
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代表者 | 平良真人(代表取締役CEO) |
設立 | 2014年1月20日 |
所在地 | 本社
〒153-0063
東京都目黒区目黒2-9-6 目黒ベガタワー8F |
事業内容 | YouTuber と企業を繋ぐiCON CASTの運営 インフルエンサーマーケティングについて考えるRIPPLY の運営 インフルエンサーを起用したプロモーション支援サービス iCON Suite の運営 |
運営サービス | iCON CAST RIPPLY iCON Suite |