世に出てるアプリはノウハウの宝庫。競合調査は必須ですが、調査項目が何となくの方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、サイバーエージェント子会社で、My365などのアプリを出したシロクの向山さんに、実際に使っていた調査・分析項目をまとめて頂きました。調査時に使える無料ツール3選付きです。
最低限知っておきたいものばかりなので、既にアプリ公開済みの方もチェックしてみて下さい。
【1】規模感を調査するためのチェック項目
競合アプリを見つけたらその規模感を知りましょう。以下、規模感のチェック項目です。
☑ ダウンロード数
アプリのダウンロード数を調べましょう。iPhoneアプリはXYOというツールで、AndroidアプリはGoogleplayでおおよそのダウンロード数を見れます。
【使える無料ツール】競合アプリのダウンロード数を調べられる『XYO』
競合のiPhoneアプリのダウンロード数調査には、XYOというツールが使えます。トップセールスに入るような課金があるアプリは誤差が大きいので、あまり参考になりません。

☑ アクティブユーザー数
アプリのアクティブユーザー数を調べます。AppMtrというツールを使うとDAU、MAUが分かるので便利。Facebookと連動しているアプリが調査対象ですが、今ではFacebook連携アプリは多いので重宝します。また、イベントが行われているアプリでは、イベントの参加人数や順位でざっくりとしたアクティブユーザー数が分かります。
【使える無料ツール】アクティブユーザー数を調べられる『AppMtr』
アクティブユーザー数の調査には、AppMtrというツールが使えます。
【2】ユーザー獲得方法を調査するためのチェック項目
規模感が分かった後は、競合アプリがどうユーザーを獲得しているかを調べていきます。
☑ アプリ名
多くのアプリデベロッパーは、アプリ名に検索で一番流入を期待しているキーワードを入れています。まずはそれをメモ。使えるワードは自分のアプリのキーワードや説明文に使い、アプリストアでの導線を作りましょう。
☑ 説明文
アプリストアでの説明文の中で何度も繰り返しているワードは、検索でユーザーをとりたいキーワードなのでメモ。またダウンロード数やユーザー数を載せていることもあります。
☑ ランキング推移
ランキング推移をチェック。大幅に順位が上がっている時は、リワード広告などを出稿している可能性があります。リワード広告を出していない場合は、何か特別な集客手段を行なっていないか調べます。
【使える無料ツール】ランキング推移を見れる『AppAnnie』
AppAnnieというツールの最新情報をチェック。指定したアプリのランキング推移が見れます。

☑ 広告の出稿有無、クリエイティブ
AppStoreの無料ランキング上位に位置しているカジュアルゲームのバナー広告を見ていると、アドネットワークに出稿しているアプリが分かります。その際、どのようなコピーやクリエイティブでバナーを出しているかチェックしましょう。
【3】新機能、運用方法を調査するためのチェック項目
競合他社アプリの機能改善や運用方法もチェック。実際にチェックしてみると、自社アプリでも参考になる事が一杯です。
☑ AppStoreのアップデート文言
どのような新機能や改善を加えたかが書いてあることがあります。
☑ プッシュ通知の文言
どのような文言でユーザーの再起をはかっているかチェックすることで、その時行なっている施策が分かります。
☑ メルマガの文章
メールアドレスやFacebookで登録すると、メールを送ってくるサービスがあります。その際どういうコンテンツで、ユーザーの呼び戻しを 促しているか見てみましょう。
☑ 昔と最新のデザイン
有名なアプリであれば、アップデートのバージョンが出た日をAppAnnieで確認し、その日前後を期間指定でGoogle画像検索してみましょう。どう変化しているか分かります。Before・Afterを見ることで、競合他社が考える「響くデザイン」の勘所が分かります。
☑ ソーシャルメディアアカウント
公式Twitter、FBページ、ブログなどの更新情報は常にチェックしましょう。そのアプリの中の人のTwitterアカウントを見つけ、そのツイート内容をチェックしましょう。フォローしておけば良い情報を手に入れられる場合があります。
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公式Twitter、Facebookページ
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ブログ
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運営企業の中の人のTwitter、Facebookアカウント
【4】ユーザーの声を調査するためのチェック項目
徹底的に自分でやり込むのはベースとしてやりながら、それ以外にも以下をチェックしていきましょう。
☑ AppStoreのレビュー
AppStore、Google Playのレビューには一般ユーザーの要望がつまっています。何が高評価/低評価につながっているか確認しましょう。
☑ アプリに詳しくない友人の声
ターゲットとなる周りの人を探して、感じたことを喋りながら使ってもらってください。ここが面倒くさい、気持ちいいなど言ってもらって、 離脱ポイントやハマるポイントを探りましょう。
☑ エゴサーチ
Twitterで競合アプリ名で検索して、ユーザーの反応をチェック。
【5】マネタイズに関する調査チェック項目
マネタイズの方法や状況について調べましょう。
☑ マネタイズポイント
ユーザーからの課金、アドネットワークやリワード広告など、どこからお金を生み出しているかを見ます。
☑ プレスリリースやインタビュー記事
売上を公開していることはなかなかありませんが、toBサービスだとクライアント数など載せていることもあるので、ざっくりとした試算はできます。
☑ 媒体資料
大きいメディアはWEB上に媒体資料を公開しています。価格を公開していることもあるので、ダウンロードしてみてください。
☑ IR資料
こちらも大きいサービスを運営している企業に限定されますが、ある程度の売上が分かるので、年に4回ある決算資料は確実に見ておきましょう。
最後に
AppAnnieは知っていても、XYOやAppMtrはご存知ない方も多かったのではないでしょうか。チェック項目も最低限知っておきたいものばかりですので、ぜひ実務でお使い頂けたらと思います!
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(執筆:株式会社シロク取締役
向山雄登、編集:井出)
■執筆者ご紹介
株式会社シロク 取締役 向山雄登さん
株式会社シロクで、写真日記アプリ「My365」のディレクターをしています。8/7に新サービス「GrowthPush」をリリース。プッシュ通知のセグメント配信や解析ができ、ユーザーの継続率を向上させる、アプリ開発者向けツールです。詳しくは(https://growthpush.com/)をご覧ください。
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