iPhone/Androidアプリを作っていざ申請!の前に、必ずチェックしておきたい品質向上のためのQA(Quality Assurance)チェックリストを作成しました。
重い・電池持ちが悪い・落ちる・・・そんなサービスの面白さ・便利さとは無関係な所で、ユーザーをイライラさせないためにぜひ確認しておきましょう。
まずは初回インストールおよびアップデートが問題なく完了するか実機で確認
□ 初回インストールができる
□ 問題なくアップデートができる
記録メディア対応 
□ インストール後、アプリが記録メディアへ移動できるかどうか
□ 本体 / 記録メディアどちらにあってもアプリが正常に起動できる事を確認
□ インストール時に、記録メディアにインストールできることを確認
※移動後、一部機能(ホームのウィジェット起動等)が制限されることもあるので注意
□ 利用可能なアカウントでログインが可能かどうか
□ 未登録の場合は新規登録を促す導線があるか
□ 登録完了後にログイン可能か
□ ログイン済みの場合アップデート時に再度ログインを求められないか
□ 正常にデータが引き継がれているか
正常にログアウトでき、かつログアウト後に再度ログインできるか確認
インストール後、アプリの容量が大きすぎないか確認(10MB以内を基準に判断)
SDカード保存への対応 
アプリの容量が10MBを超える場合はSDカードへ保存可能であることを確認
※大きすぎると端末によって他のアプリやメール送受信を阻害することがある
使用容量が大きすぎないかを確認
※他のアプリの挙動やバッテリー残量に影響する場合がある
各電波状況において、問題なく通信できるか確認します
□ 良:3?5本
□ 悪:1?2本
□ LTE接続
□ 3G接続
□ 回線契約無しでWi-Fi接続のみ
※通知等で機能が制限される場合はアプリ内にその旨を記載。圏外状態でアプリを起動した場合、「通信ができない旨のエラー」等が表示されることが望ましい
バッテリー残量ごとに各ケースで動作を確認
□ バッテリー残量:100%?25%時の挙動
□ バッテリー残量:25%?0%時の挙動
□ 充電中の挙動
※アプリの正常起動・起動することによる消費電力増大が極端にならないことをチェックし、残量が少ない時にはアップロード、アップデートを行う際にバッテリー残量が少ないお知らせが出ることが望ましい
アプリ起動中に本体(CPU)が過度に発熱しないことも忘れず確認
位置情報 
位置情報サービスがOFFの状態で位置情報を取得する場合、設定をONにするよう促すダイアログが表示されること
およびONに設定後に位置情報が正確に取得できることを確認
位置情報 
位置情報サービス、GPS機能がOFFの状態で位置情報等を取得する場合、各設定をONにするよう促すダイアログ等が表示されること。 およびONに設定後、位置情報等が正確に取得できることを確認
ダイアログから設定画面へ移行でき、ダイアログ内で設定できる機種の場合はONを選択することで設定が可能であることも合わせて確認します
取得した位置情報から正確なマップが表示されることを確認
□ 更新やお知らせのPUSH通知表示を確認(通知バーやダイアログ)
□ PUSH通知の有無を設定内で変更できるか
□ PUSH通知をONにしている場合、通知間隔(時間)が設定可能か
□ PUSH通知ONの場合バッテリー消費に影響することがアプリ内で説明されているか
更新やお知らせがあった場合、メール通知が正確に届くかを確認。メール通知の有無をアプリ内で変更できるかを確認
通信が失敗した場合アラート通知が表示されるかを確認
□ アプリ内の操作でカメラを起動できることを確認
□ カメラで撮影した画像がアプリ内で確認できるか
□ アプリ経由で撮影した画像がカメラロール/ギャラリーに保存されるか
□ アプリ内からカメラロール/ギャラリーを起動し、写真や動画を選択できるか
□ カメラロール/ギャラリー内全てのデータが表示され、選択できるか
□ アプリ内で作成/ダウンロードした画像が保存されるか
※Androidの場合、フォルダを新規作成して画像が保存されることが望ましい
□ 同意を得てから電話帳との同期を行うよう設計されているか
□ 拒否されたら同期は行わないようになっているか
□ 初期起動時以外にも設定内で同期(連携)設定が変更できるか
※電話帳アクセスモニター(SHARP製の一部Android端末に搭載)など、端末限定の機能を無視しないよう注意
アプリを利用時に電話番号を紐づける際は同意確認を行うよう注意
電話番号を持たない端末からもアプリを利用できるよう、他アプリやサービスのアカウントと紐づかせて利用できることが望ましい
ウィルス対策アプリ 
ウィルス対策アプリがインストールされている端末において、アプリがウィルス検知されないことを確認
□ Storeでアンインストールした事を正しく認識しているかの確認
□ 端末に不要なデータが残っていないかの確認
使用端末が変わった場合や、一度アプリを削除してから再インストールした場合、初回登録時のデータが引き続き使用できるか確認
下記のどのサイズにおいても、ユーザーが操作しやすい範囲でメニュー等が配置されているか確認します
□ 3.0?3.9インチ
□ 4.0?4.9インチ
□ 5.0インチ?6.9インチ
□ 7.0インチ以上
下記のどのディスプレイタイプにおいても視認性、操作性に問題がないことを確認
※確認項目:配色、アイコンや画像の見た目や輪郭(にじみやぼやけ等)が無いか
□ iOS ― Retina、非Retina
□ Android ― IPS、ASV、CGシリコン、IGZO、有機EL
「低」「中」「高」の、どの設定においても視認性、操作性に問題がないことを確認
アプリ内での動画再生、またはゲームプレイ時にバックライト自動消灯をしないか確認
※視聴や操作に支障をきたすため、消灯しないことが望ましい
画面回転がONの時、横画面表示へスムーズに移行できるかを確認
OFF設定時には端末側の設定に則して画面回転しないことを確認
アプリ内サウンドが本体、またはアプリ側で調整・設定可能か。および画面ロック中は音が停止されるかを確認
音声再生を目的としている場合(音楽再生アプリ等)、画面ロック時も音声が継続再生されることを確認
音楽等を再生している状態で音声が出力されるアプリを起動した場合、音楽再生を止めるか、バックグラウンドで再生を継続するのかを検討しておく
アプリ起動中に自動で画面ロックがかかるか
ロックがかかることで不都合が発生するアプリ(動画再生等)の場合は起動中に画面ロックがかからないことを確認
画面ロックから復帰した際にアプリの画面が表示され、入力・編集中等の状態がそのまま保持されているかどうか確認
NFC/FeliCa/赤外線通信 
対応している端末間でデータ通信と取得したデータの表示・利用確認
アプリ起動中に着信があった場合は着信が優先され、通話終了後、入力・編集中等の状態がそのまま保持されていることを確認
アプリ起動中もメールが受信可能であること。およびアプリ起動中にバックグラウンドでメールが受信できることを確認
□ アップロード、ダウンロードがバックグラウンドで実行できるか確認
※アップロード、ダウンロード中にアプリ内の別画面やホーム画面等へ遷移してもバックグラウンドで実行できること
□ アプリ未操作状態でバックグラウンドで不要な通信・サービスが実行しないこと
※但し、音声の再生を目的とするアプリ(例:音楽再生アプリ)の場合は、アプリがバックグラウンドであっても実行されていること
スマホ本体での西暦、和暦の設定がアプリへ影響しないこと
時間表示(24時間表示/12時間表示)、日付形式がアプリへ影響しないことを確認
本体ボタン 
□ 電源ボタン:アプリ内のどの場所で押しても画面ロックがかかる
□ ホームボタン:アプリ内のどの場所で押してもホームに戻る
□ 音量ボタン:音量を変更できる
□ サイレントスイッチ:音の出力の有無を変更できる
本体ボタン 
□ 電源ボタン:アプリ内のどの場所で押しても画面ロックがかかる
□ 電源ボタン長押し:長押しで携帯電話オプションが表示される
□ ホームキー/ボタン:アプリ内のどの場所で押してもホームに戻る
□ ホームキー/ボタン長押し:アプリ内のどの場所で長押ししてもアプリの切り替え可能
□ メニューキー/ボタン:アプリのメニューが呼び出せる
□ バックキー/ボタン:一つ前の画面に戻ることができる
□ 音量ボタン:音量を変更できる/スクロールできる
□ カメラキー/ボタン:撮影できる/カメラが起動できる
テンキー対応している操作、およびディスプレイ操作関連(端末共通)を確認
選択したい場所がタップできること(誤タップがないこと)を確認
通知等を受け取った際のLED点灯の有無を端末、またはアプリ内設定での変更を確認
サポート対象OS搭載端末でのアプリインストール、起動を確認
□ iOS ― 3.x、4.x、5.x、 6.x、7.x
□ Android ― 2.1、2.2、2.3、4.0、4.1 / 4.2
※どこまでサポートするか?は事前に確定させておく必要があります
■ 記事監修
株式会社ヒューマンクレスト 宮本 由布樹
株式会社ミクシィ 柿崎 憲
※株式会社ヒューマンクレスト:Webサイト自動動作監視サービス「Lynx(リンクス)」などを提供する傍ら、QAエンジニアの活性化を目的としたQA専門のイベント「Ques(キューズ)」の運営も行うソフトウェアテスト専門企業。
(執筆/編集 中村健太)