iPhoneアプリのダウンロード数を稼ぐには「ストア内検索」での上位表示が欠かせません。
しかし、アプリストア最適化(以下、ASO)を実施しながらも対策に漏れがあったりと、もったいない状況のままになっているアプリも多く見受けられます。
そこで今回はASOのプロ、サーチマンの柴田さんに、本気で順位を上げるために知っておくべき11個のランキングアップ術を教えて貰いました。ぜひ皆さんの対策で漏れがないかもチェックしてみて下さい!
1.アプリ名にブランド名以外のキーワードも入れる
アプリ名にブランド名以外にも、アプリ内容に関連する適切なキーワードを入れましょう。ストア内の検索クエリの75%は、ブランド名ではなく、
アプリ内容に関するキーワードです。
▼参考:DECOPICのアプリ名
不必要なキーワードを書きすぎると、リジェクトされる可能性があるので注意する必要があります。基本的にはアプリの内容を説明するワード
(DECOPICの場合は、「写真加工」「フレーム」「フィルタ」など)を入れるようにします。
【TIPS(1)】タイトルの文字数は35文字以内が推奨です。これはAppleが公式に発表しているものです。ルールとしては3文字?255文字となっていますが、できるだけ推奨文字数内に収めるのがベターです。(Unicodeによる文字数カウントなので、半角でも全角でも1文字とカウントされます。)
【TIPS(2)】よっぼど有名なアプリでなければ、指名検索はありません。そのためアプリ名よりもASOを意識したワードを文頭に持ってくる事をオススメします。
2.説明文は最初の3行を頑張る
ASOの一般論として、
クリック率・
ダウンロード率は高い方が良いです。この2つの指標を上げるための施策の一つとして「説明文は最初の3行だけでも伝わる」ようにします。
こちらの図をご覧頂くと分かるように、個別のアプリ画面を開いた時は、説明文は最初の3行?4行しか表示されません。「さらに見る」はあまりタップされないため、この枠内で引きを作るライティングが必要です。
例えば、「何のアプリなのかがパッと分かる」ような説明も必要ですし、他にも
アワード等の受賞歴の紹介、取り上げられたTV番組名の紹介なども有効です。
3.説明文に取りたいワードを入れる
説明文はASOにも効きます。取りたいワードを入れるようにしましょう。アプリ内容に関わるキーワードであれば問題ありません。例えば、Facebookと連携しているアプリなら、「Facebookでログインできます」といった文脈でキーワードを入れるのです。
▼参考:DECOPICの説明文
4.スクリーンショットは1枚目だけで訴求する
こちらも
クリック率・
ダウンロード率を上げるための施策です。ストアでの検索結果ページには、スクリーンショットの1枚目しか表示されません。この1枚目で、アプリの内容・良さを伝えられるようにしましょう。
Appleが「スクリーンショット」と説明しているため、画面のスクショをそのまま掲載しているアプリもあります。しかし、実際はただのスクショではなく、LPやチラシのようにその画像だけを見て興味をひかせるものにしなければいけないのです。
5.アプリ内の課金アイテム名もASOを意識する
アプリによっては課金アイテムを登録していると思いますが、この「課金アイテム名」が実はストア内検索でひっかかります。
▼LINEは「ふなっしー」で検索しても表示される
この施策は無闇矢鱈に行うのは好ましくありませんが、「課金アイテム名」もASOに影響を与えるという事だけ知っておいて頂けたらと思います。
6.ユーザーが満足したタイミングでレビュー依頼する
App Storeのレビューの質も検索順位に影響を与えます。もちろん5に近いほうが良いですが、4.0以上の点数は貰えるようにしたいところです。
そのために効くのが、
『ユーザーが満足したタイミングでのレビュー依頼』です。アプリを遊んで貰っている中でユーザーがハッピーになったタイミングで、「レビュー依頼」の通知を出すのです。
そうすると、良い評価も得られやすくなります。
7.iTunesキーワードに単発ワードを入れる
アプリ登録時にiTunesキーワードを登録できますが、この時、
複合ワードではなく単発ワードを入れるようにしましょう。また100文字分までキーワードを設定できるため、
100文字ギリギリまでキーワードを登録します。
例えば「パズル ゲーム」と登録してしまうと、「パズル ゲーム」のキーワードでしか拾ってくれません。この場合、「パズル」や「ゲーム」などの検索ワードを拾うには、「パズル ゲーム」「パズル」「ゲーム」と重複して登録しなければいけないため、文字数の無駄遣いになってしまうのです。
設定キーワード数については、意外と遠慮して30文字ほどしか入れていないアプリも多くあります。皆さんの会社のアプリも見直してみると良いでしょう。
8.なるべく1つの会社でアプリ登録する
App Storeでは
その会社の過去のアプリの検索順位の評価が、新しいアプリの順位を底上げしてくれます。会社単位である程度の順位のウェイトがかかって来ているのです。
▼LINE系のアプリは「NAVER JAPAN」で登録されている
例えば皆さんの会社である教育アプリがヒットし、教育関連のキーワードで上位表示されているとします。その場合、同じ会社が新しい教育系のアプリを出しても、教育関連キーワードで上位にランクインしやすくなるのです。また新しくゲーム系のアプリを出した場合も、教育関連のキーワードで上位表示されやすくなります。
そのため、子会社ごとにアプリを登録するよりも、親会社だけで各アプリを登録するほうがASOの効果は高くなります。
9.全然関係ないキーワードを入れない
App Storeでは、アプリ内容に全く関係ないキーワードを入れると、リジェクトをされる可能性があるので気をつけましょう。
説明文は比較的問題ありませんが、特に
「タイトル」「iTunesキーワード」が厳しいです。
また説明文にも、
カンマ区切りで大量のASO用キーワードを入れることはリジェクトの対象になり得るので気をつけて下さい。
10.広告を打ってダウンロード数を増やしておく
App Storeの検索順位にはダウンロード数も影響を与えています。何かしらの広告をかけたりしながら、ダウンロード数を増やさないと不利になります。
App Storeは
直近のダウンロードを見ている可能性が高いです。そのため、ASOを考えるのであればブーストをさせるよりも、継続的にダウンロードを増やすように広告出稿したほうが効果的です。
【TIPS】広告を打つ場合も、事前にASOをしてからにしましょう。ASOをしている状態で広告を打つと検索順位も上がるのですが、ASOしていない場合は検索順位が上がりにくくなってしまうのです。
11.アプリをタブレットに対応する
アプリをタブレット対応させましょう。タブレットでアプリをダウンロードする人もいるため、単純にiPhone版だけアプリを提供するよりも、ダウンロード数が増えやすくなります。
グローバルではタブレットがかなり売れており、さらにARPUも高くなります。海外展開するアプリデベロッパーの方は対応をお薦めします。
最後に
今回のランキングアップ術は参考になりましたでしょうか?
【IVS × Find Job ! Startup特別企画】
Find Job ! Startupは、IVSの公式メディアパートナーを務めていました。今回はその特別企画の第1弾として、IVSで登壇したサーチマン柴田さんに個別に取材した内容をお届けしました。
次回はIVS企画第2弾として「Google Playでのランキングアップ術」の記事もお届けします。
(取材先:柴田 尚樹、執筆/編集:井出)
■取材先紹介
SearchMan Co-Founder 柴田 尚樹
1万2000社、3万8000アプリに導入されているASOツール「SearchMan」の共同創業者。東大助教授や楽天執行役員を歴任後、スタンフォード大学の研究員となる。2011年にはシリコンバレーにてSearchManを創業、現在に至る。
・ブログ http://shibataism.hatenablog.com/
・Facebook http://www.facebook.com/shibataism
・Twitter https://twitter.com/shibataism