Google Analyticsのプロが解析前に必ずチェックしている3つのポイント【小川 卓】

    
2013/12/09
    


Googleアナリティクスに代表されるアクセス解析ツール。ログインして訪問者数とPVだけ眺めていませんか?あるいはレポートを1つずつ見てなんとなくツールを閉じていませんか?

もしそうなら非常にもったいないです。以下3項目を事前に行うだけで、Googleアナリティクスは真価を発揮し、サイト改善に有益な情報をたくさん提供してくれます。

アクセス解析前にやっておくべき3つのポイント

  • 1. まずは「サイトのゴール」を設定してから解析へ
  • 2. データを見る前に改善すべき指標/KPIを決める
  • 3. 仮説をリストアップしてから解析&施策開始


1. まずは「サイトのゴール」を設定してから解析へ


アクセス解析ツールからサイト改善につながるような気付きを発見するためには、正しい目標設定が必須。

個人のブログやサイトで数値確認用に使うならともかく、サイト上で何かしらの目的を達成してもらおうと考えている場合、ゴール設定をしないとその数を増やすことは非常に難しくなります。


検索ワードや閲覧されているページのデータを見ても、実際何が何だかわかりません。

そのアクセスがサイトのゴールにつながっているのかどうか。これこそが重要なので、流入数の多い少ないだけ見ていては「流入は少ないけど高確率でゴールにたどり着く流入元やページ」を見落とすことになってしまいます。

「特定ページへのアクセス」がゴールになる場合の設定方法


多くのサイトの場合は、「特定ページへのアクセス」によってゴールを補足をすることができます。会員登録の場合は「会員登録完了」のページ、セミナー申し込みであれば「申し込み完了」のページといった具合ですね。

また、特定ページへのアクセスだけではなく、その質も加味したいケースも多く存在するので注意してください。

代表的なのはECサイトで「商品購入完了」のページだけではなく
  • どの商品を購入したのか?
  • 合計いくらの金額購入したのか?
といった付加情報が必要になってくるようなケースです。ここをしっかり設定できていないと後々問題発見が遅れたりしてしまいます。

>>ECサイトの付加情報取得設定はこちらを参照


「特定アクションの実施」がゴールになる場合の設定方法


特定のページへのアクセスをゴールとせず、特定のユーザーアクションをゴールと捉える場合も多々あるかと思います。

例えばブランド認知を目的としたサイトであれば「サイトに訪れた人数」あるいは「ソーシャルボタンでシェアされた回数」などがゴールに。

資料請求サイトであれば、「資料請求入力完了画面」ではなく「ダウンロードされた資料の回数」のほうが正確なゴール対象となってきます。

これらを間違いの無いようしっかりと定義しゴール設定を行っていくと、Googleアナリティクス上で「コンバージョン」関連のレポートが利用できるようになり、各レポートもゴールに紐づいた形で確認することができるようになります。

■ゴール(コンバージョン)設定なしの場合
流入元ごとの基本情報:流入回数や新規の割合、直帰率などがわかるが、ゴールに結びついたかどうか?などの指標は取得できない。

■ゴール(コンバージョン)設定を行った場合
eコマースタグの実装をした「eコマースレポート」コンバージョン率、売上や平均単価などが確認出来、本当に効果がある流入元を発見する事が可能に

意外と「ちゃんと」はできていないゴール(コンバージョン)設定

私もこれまで数々のGoogle アナリティクスのアカウントを見てきました。が、その中で正しく目標を設定していたアカウントは3割程度。設定できていない7割のうち、そもそも設定されていないのが5割、設定されているけど取得できていないあるいは数値がおかしいのが2割もあったんです。



2. データを見る前に改善すべき指標/KPIを決める


目標設定したレポートを見ていると今度はその数値を改善したくなります。
この時に大切なのは、アテもなくたくさんのレポートを見るのではなく

  • 改善するべきポイントを決める
  • 改善点とゴールがどう紐づいているか確認する

ということ。では、そもそもの改善するべき指標とは、どのように決めればよいのでしょうか?

改善するべき指標の探し方

まずは、全体から見ていくと、サイトのゴールの達成率(および売上げ)は以下のとおりの関係になっています。

つまり、サイト改善のためにできることは基本的には4つしかありません。

  • サイトへの訪問者数を増やす
  • サイトへの訪問頻度を増やす
  • サイト内のコンバージョン率を上げる
  • コンバージョン時の平均単価を上げる


どこから改善を行っていくか?優先順位の決め方

改善ポイントを選ぶ上で大切なのは「施策を行なうことができ、期待される効果が大きい」ものを選ぶという事です。以下の5つの質問に答えてみて「はい」が多いものを優先するとよいでしょう。

優先度判定のための5つの質問

  • 該当箇所に関して現在、施策を行っている
  • 該当箇所に関する改善結果を出したことがない
  • 該当箇所に関する課題点をすぐに3つあげる事が出来る
  • 該当箇所は自分の権限あるいは範囲内で施策を行なうことが出来る
  • 該当箇所は最近数値が増えていない、あるいは、減少傾向にある


改善施策をやめるタイミングの測り方

では、この改善はいつまで続ければ良いのか?下記の2つの条件のいずれかに該当する場合は、違う施策あるいは項目に移った方が得策です。

  • 設定した目標に到達した場合
  • 改善施策を思いつかなくなった、あるいは期待される効果が小さいものしか出てこない場合

設定した目標に到達」したかどうか?を判断するためには、最初の項目で確認した「ゴール」に対して、以下のように具体的な数値目標を設定してあげる必要があります。

例:サイト上での資料請求を目標とした場合
ゴール:売上を来年3月に150万円にする(現在は90万)
優先的に改善したい指標:サイト内のコンバージョン率
現在のコンバージョン率:1.5%
目標とするべきコンバージョン率:1.5%*150/90 = 2.5%

数値目標を設定すると、現在考えている施策で足りるのか?といった現実感を確認する事ができます。

1つの項目で達成するのが難しいという見立ての場合は、他の項目にも改善目標を決めて、施策を進めていきましょう。


3. 仮説をリストアップしてから解析&施策開始


以下は新規にサイトを立ち上げた場合や、はじめてサイトを分析するようなケースで使えます。

サイトを実際にユーザーとして確認を行い、気づいた点を箇条書きにしていき、その仮説の検証を行なうという手法ですね。

まずはサイトの気になる点をリストアップ

  • カテゴリ名が抽象的で階層分けもごちゃごちゃで分かりづらいかも
  • 商品をカートに入れて購入手続きに進むと、いきなり会員登録を求められて離脱が高そう
  • スマートフォン用ページがなく、フォームの入力が非常に大変
  • 特集コンテンツが充実しており、アクセス数が多いことは想像できるが、コンバージョンに繋がっているか気になる
  • 商品のまとめ売りを強く打ち出しており10,000円以上で送料無料。なら購入の平均単価はかなり高いのでは?


これらリスト内の項目が事実なのか、そうではないのか。

「気になる点」からヒントを見つけるためにも「仮説」と「見るべきレポート」を繋げていきます。

リストアップした仮説に対応するレポートを紐付け

仮説01 カテゴリ名が抽象的で階層分けもごちゃごちゃで分かりづらいかもしれない
レポート カテゴリごとのクリック率及びコンバージョンへの貢献度を分析
仮説02 商品をカートに入れて購入手続きに進むと、いきなり会員登録を求められて離脱が高そう
レポート カートから購入ページへの遷移率及び、カートページからの離脱率を調査
仮説03 スマートフォン用ページがなく、フォームの入力が非常に大変なのでは?
レポート スマートフォン・PC別の訪問者数・コンバージョン率 及び 入力フォームから確認画面の遷移率を見る
仮説04 特集コンテンツが充実してアクセス数は多そうだが、コンバージョンに繋がっているのか?
レポート 特集関連ページの訪問数と、コンバージョン及び売上への貢献の確認。該当特集がランディングページとして流入の何割を占めているか
仮説05 商品のまとめ売りを強く打ち出しており10,000円以上で送料無料。なら購入の平均単価はかなり高いのでは?
レポート 購入時の商品の組み合わせで多いものの中に、まとめ売りとして押している商品が含まれているか

仮説と見るべきデータが紐付いたら、後はデータを確認してみて、仮説に基づいた確認を行なうことができるようになります。

例えば「スマホのフォーム入力率がPCと比較して悪い」場合、購入プロセスだけはスマホで利用してもストレスにならないよう見直すといった形ですね。

ぜひ、仮説を元に解析ツールのデータを見る習慣をつけてみましょう。


まとめとアドバイス


全てを同時に行う必要はありませんが、Googleアナリティクスなどアクセス解析ツールにログインする前に上記の3つのうちいずれかは意識して、あるいは準備してみてください。

大事なのは該当指標を時系列で確認して、「全体的な傾向を含む」こと。

その上で、急激に増えたり減ったりしている場合はその原因を確認し、その原因を作り出した要因が何か?を探しに行くことです。

まずは基本を抑えて分析から施策に繋がる(=成果に繋がる)可能性を上げ、それからGoogleアナリティクスなどの管理画面に向き合いたいものですね。

著者:ウェブアナリスト 小川 卓

1978年生まれ。ロンドン大学・早稲田大学大学院卒業。リクルートにてウェブアナリストとして活躍し、現在はサイバーエージェントに勤務。2010年8月にソフトバンククリエイティブ社より『ウェブ分析論』を出版。様々な媒体・団体で執筆活動や講演活動を行い、精力的に活動するウェブアナリスト。


(編集 中村 健太)


Find Job! Startupを購読する

職種から求人情報を探す
Webエンジニア・Webプログラマ |  Webデザイナー・HTMLコーダー |  グラフィックザイナー・クリエイター |  Webディレクター・Webプロデューサー |  スマートフォンエンジニア |  ネットワークエンジニア・サーバーエンジニア |  フロントエンドエンジニア
スキルから求人情報を探す
PHP |  Perl |  Ruby |  Python |  Java |  JavaScript |  C言語 |  C++ |  MySQL |  PostgreSQL |  iPhoneアプリ |  Androidアプリ
企業名から求人情報を探す
 |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |   |  A |  B |  C |  D |  E |  F |  G |  H |  I |  J |  K |  L |  M |  N |  O |  P |  Q |  R |  S |  T |  U |  V |  W |  X |  Y |  Z
Copyright (C) 2017 mixi recruitment, Inc. all rights reserved.