200事例のA/Bテストから学んだ、グロースハック実践フレームワーク【基礎?実践編】

    
2013/11/29
    

top KAIZEN platform Inc.のCEOを務めている須藤と申します。Gunosyさん・リクルートさん等も活用するグロースハック支援サービスを提供している会社です。

今や「グロースハック」は、デザイナー・エンジニア・ディレクターにとって必須なスキルとなりつつあります(シリコンバレーではそれ自体が職種として成り立っています)。

「コンバージョン率向上」「集客」のための取り組みや、「A/Bテスト」などの取り組みなどを複合したものがグロースハックと言われますが、日本ではまだまだ馴染みがない方も多いはず。

そこで今回は、基礎知識から実践まで、グロースハックの実践フレームワークをご紹介します。この考え方を会社に根付かせる事ができれば、必ずそのWebサービスのコンバージョンは数十%以上伸ばせます。ぜひ皆さんの身の回りでどうやったら実践できるかも考えてみて頂けたらと思います。

基礎知識編

100 グロースハックと言われてイメージしやすいのが、こちらの例のように「ボタン」や「LP」のA/Bテストをしてサイト内の遷移率を改善する取り組みだと思います。

各画像の下に書いている「113」「103」「100」といった数字は、他のパターンとコンバージョン数を比べた時の指数です。オバマさんのLPは一番左のものが10%効果が高く、ボタンは赤のほうが30%効果が高くなりました。

02グロースハックとは しかし、グロースハックとはサイト内だけの取り組みだけではないと考えています。

このスライドで説明しているように、サービスはお金と時間をかけて成長させて行く訳ですが、その「時間×お金→成長」の転換率をあげていく取り組み全体を指してグロースハックと考えたほうが良いでしょう。

101 グロースハックの肝の一つは「ショートサイクルで手数をたくさん打てるようにする」ことです。継続的に手数を打てるように、リズムを作りましょう。

リズムはweeklyでもmonthlyでも構いません。改善案をリリースしてからA/Bテストの結果が出るまで時間もかかるので、以下の図のような形で、様々なA/Bテストをパラレルで走らせ、「実装」「検証」が毎週1つずつは行われている状態にしましょう。

■具体的な改善サイクル例:A/Bテストをパラレルで走らせる。
01
改善の手数が1ヶ月に1つだと年間12個しか出来ません。上記図のように、1週間に1つずつ実施だと、年間50個の改善ができます。

【例】ランサーズさんのグロースハックの場合

ランサーズさんの場合は、グロースハックのルールとして『1-2日で完了するものしか開発しない』と決める事で手数を沢山打つ仕組みづくりをしています。このルールも参考になりますね。

04陥りがちな罠 グロースハックは「行動の質」が成果を決めます。そのためマネジメント側は「詰める」のではなく「応援する」ようにし、現場が萎縮しないようにしなければいけません。

そういった環境を作るために、『現場の裁量権を持たせる』『失敗を許容する』『何事も数字で判断する』といった決めが必要です。「アレは駄目コレは駄目と言われない」ようにしてあげないといけないのですね。

【TIPS】グロースハックのアウトプット時間を増やすために。

レポーティングを止めましょう。グロースハックの「実践」時間を最大化するために、報告のための作業時間は減らすべきです。

当社の場合は、メンバーからは一切報告しなくて良いようになっています。その代わり、DOMOというBIツールを導入しており、ダッシュボードに色々な数値が自動で集計されるようになっています。

DOMO
05domo

05グロースハックの必要条件 グロースハックを成功させるためには何が必要か?私はその要素を『①一定の規模』『②リスクテイク』『③実行までのスピード』の3つと考えています。この3点について、もう少し詳しく紹介しましょう。

『①(グロースハックするに値する)一定の規模を作る』

A/Bテストをする場合、まずは利用者を増やしてからにしましょう。母数が少なければ、データが偏ってしまい正確なデータが取れないからです。

理想としては、もちろんサービスの規模感によりますが「A/Bテストの結果を見たいコンバージョン数が3桁以上ある場合」が望ましいです。

『②リスクテイクする』

たくさん手数を打とうとすると、ネックになるのは「リスクを取る」ことに対する社内からのネガティブな声です。

グロースハックはとにかくパターンを試してみないと分からないので、「数を打つんだ」というマインドにならないと回せないでしょう。

やってみて上手く行かなければ途中で切り戻せば良いのです。もしくは、ユーザーの10%だけに適応するなど、限定的にA/Bテストを走らせるのも良いでしょう。

『③実行までのスピードを徹底的に上げる』

改善の手数を打つには、とにかく実行までのスピードを速める事が重要です。そのためには、『チーム(エンジニア、デザイナー)の席を近くにする』『現場で意思決定して進められるように権限委譲する』といったことも必要です。

上司の突っ込みが入ると物事が進まないため、スピードを速めるためには現場で全て解決するようにすべきです。

08ABテストによる遷移率向上 グロースハックに取り組む時は、「どこの問題を解決しようとしているか」を明確にする必要があります。そのためには、ユーザー導線をページごとに洗い出していきましょう。

▼ページの洗い出しの例
03フロー 一時的にデザインを改善するだけで効果を伸ばすページと、継続的な改善が必要そうなページを分類しておくとさらに良いでしょう。

09KPIにありがちな罠1 KPIは、PV・売上・CPAなどの結果指標ではなくCTR・CPC・シェア数などの「先行指標」を見るようにしましょう。さらにそのKPIが「コントロールできるもの」であるかも重要です。

例えば、営業でいえば「受注」を見るのではなく、その先行指標である「商談数」「テレアポ数」などを見に行かなければいけません。リクルートなどはここらへんが徹底されていました。

先行指標で見ると、月末の目標達成状況を容易に推測できるため、対策が必要かを前々から察知して手を打てるようになります。これも先行指標で見ることのメリットの一つですね。

10KPIにありがちな罠2 KPIは、目標の指標を「すぐアクションできる粒度」までブレイクダウンしましょう。

例えば「リピート率」はKPIとしてはアクションにすぐつながらないのでイマイチです。リピート率で見るのではなく「リピート回数」が良いでしょう。

それであれば、「リピート回数=既存ユーザー数×リピートユーザー率×リピート頻度」などとブレイクダウンしていって、アクションに移していきやすくなります。

11KPIにありがちな罠3 複数のKPIを追いかけていくと、散漫になったり、矛盾する数字(1個の数字を上げると他の数字が下がるetc)が出てきます。

そのため、複数の数字を追ってもぐら叩きをするのではなく、1個1個をそれぞれ潰して改善していくようにします。KPIを絞ると、目標がシンプルになり現場も動きやすくなります。

15時間は有限 改善する場所は、影響が大きい箇所から手をつけるようにしましょう。影響が大きいポイントは『コンバージョン地点に近い箇所』『コンバージョン量が多い経路』『各KPIをベンチマーク先と比較して、改善余地が大きいところ(≒ボトルネックになっている箇所)』です。時間は限られているのでまずは影響力が高い部分にフォーカスするのがマストです。

【TIPS】ベンチマーク数字の見つけ方

KPIのベンチマークは知り合いに聞くことも一つの手ですが、以下のサービスを使うと簡単に見つけられます。有料ですが、自社と競合サイトのユーザー行動を検証・モニタリングして、KPIのベンチマークを算出してくれるので非常に便利です。

▼ベンチマーク数値の算出サービス『VALUES』
02values

実践編

16パフォーマンス向上に効く要素 ユーザーが訪れたページで「このサイトで何ができるのか?」がパッと理解できないと、即離脱につながります。いかに簡単に「そのサイトはどんなサイトであるか?」「そのページはどんな役割であるか?」を理解させるか?が、かなり重要です。

そのためのアプローチとして効果を発揮するのが、この「レイアウト」「コピー」「アイキャッチ画像」「アクション導線」の改善です。

17レイアウト レイアウトはファーストビューが命です。「ファーストビューにアクション導線を置き」「やらせたい事はシンプル」にしましょう。

1つのページで「会員登録」「ブクマ」「友達へのシェア」など色々やらせたくなってしまう気持ちも分かりますが、そのページの役割を決めて導線を1つに絞ったほうが、結果として数字が出ます。

18コピー ユーザーは目で文字を追っています。いかに短く、分かりやすく言うか。そのために使えるメソッドが、ここにある「数字」「タイミング」「比較・比喩」を使った表現です。

19コピー2 これは、コマースの会社で特に使えるメソッドです。人がものを認識する時のパターンは大体、視覚・聴覚・身体感覚のいずれかに分類されます。それぞれに含まれるコメントが、バランスよく入っているページを作れば、それは必ず多くのユーザーに刺さるページになります。

楽天市場で売れているECサイトを見ると、こういったメソッドを使っているのでチェックしてみて下さい。

20アクション導線 アクション導線は、どこで行動できるかを知らしめる必要があります。目立つ場所にボタンを配置したり、ボタンを周囲とコントラストをつける、などの工夫が必要です。

このスライドに掲載しているのが実際の事例なのですが、コントラストを高めるなどの改善を行ったところ、74%も登録率が上がりました

最後に

今回ご紹介したグロースハック手法は、基礎的な考え方の部分を多めに解説しました。グロースハックは、他社で上手くいった事を真似しても必ずしも上手くいくものではありません。その発想自体が間違っています。

細かいTIPS的な事例を知るよりも、まずは「挑戦すること」「挑戦する体制を作ること」のほうが大事です。ぜひ今回の記事で紹介したメソッドを、皆さんの組織でも実践してみて頂けたらと思います。(デザイナー・制作会社の方で、KAIZEN platformで一緒にクライアント向けにグロースハックを実践してみたい方は個別にこちらからお声がけ下さい。

※今回ご紹介した内容は、動画でもご覧頂けます【動画はこちらから】

(執筆:須藤 憲司、編集:井出)

■執筆者紹介
KAIZEN platform Inc. CEO 須藤 憲司

プロフィール用写真02
2003年、早稲田大学を卒業後、株式会社リクルート入社。同社のマーケティング部門、新規事業開発部門を経て、アドオプティマイゼーション推進室を立上げ。株式 会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員で活躍の後、2013年にKAIZEN platform Inc.を米国で創業。クラウドソーシング型のグロースハック支援サービス「planBCD」を提供しており、現在、デザイナー・制作会社との提携を積極的に進めている
・ブログ  http://sudoken.hatenablog.com/
・Facebook http://www.facebook.com/kenji.sudo
・Twitter https://twitter.com/sudoken

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