何かと忙しいスタートアップベンチャー。さまざまな仕事を少ない人数で回しているため、ブログを書いてる時間なんてない!というのが実情でしょう。
しかしブログは自社ブランディングの第一歩。スタートアップと言えども、手を抜けない重要な戦略の一つなのです。情報の発信をTwitterやFacebookで済ませている人が多い今だからこそ、独自のコンテンツを届ける自社ブログの価値が高まっているのも事実です。
ブログは認知向上、サービスの引き合い獲得に貢献する。
ブログを運用している企業の多くが、その効果を実感しています。
INBOUND marketing blogでは、ブログ運用の効果も定量的に公開されているのでご覧になってみて下さい。
※出典:「Webサイト・ブログ運営の2012年振り返り」
ブログを書くときに意識したい、3つの鉄板ネタ
そこで今回、特に時間のないスタートアップ向けに、次の鉄板ネタ3個に絞り執筆することをオススメします。
3つの鉄板ネタ |
●知識共有系エントリー
同業他社に勤めるディレクター、エンジニア、デザイナーに向けて、調べて分かった知識を共有する内容のもの
●ノウハウ公開系エントリー
自社サービスを作り込む様子・歴史を振り返るもの。自社の失敗談・ノウハウを公開するもの
●趣味系エントリー
本業には関係ないが、内容がおもしろいもの。社風がわかるもの。社員の個性・趣味を発揮したもの |
それでは、次に取り上げる9個のブログの実例を元に、スタートアップがどういった記事を書いているかをご紹介していきます。
ソーシャル・リクルーティングサービスの
WANTEDLYは、ノウハウ公開系の記事を中心に、数々のエントリーで手の内を明かしています。
悩みをさらけ出す
「
転びまくりながら、やっとここまできた」というエントリーでは、ローンチ初期段階からどのようにピボットを加えてきたのか、CEO仲さんご自身が語られています。
Ruby on Railsを学習し自分の手でコーディングしたり、方向性に悩みサービスを一時凍結した時の苦悩など、産みの苦しみが伝わってくる内容です。CEOの方は必読でしょう。
特に見ていただきたい3つの記事
スタートアップにおける3本柱はディレクター・エンジニア・デザイナーですが、WANTEDLYのブログはそのどれもが網羅的。エンジニアやデザイナー向けの記事もあります。カテゴリに偏りのないブログを書く上での参考になるはずです。
ファイナンスのことにも触れられています。以下の記事は、資金調達をはじめた2011年当時の状況や考えていたことが書かれた貴重なエントリーです。
クラウドファンディング、CAMPFIREのブログです。
テレビ対策ノウハウを公開
テレビ放映前に行ったインフラ増強のノウハウを公開しています。 TV放映用の体制に組み替えていった様子はとても興味深いです。
TVを見た新規訪問者は滞在時間が短いと想定。いいね!やTweetボタンを押してもらうことを目標に、サイトデザインを変更したそうです。どこをどう変えたのかはぜひエントリー中でご確認ください。
スマートフォン向けのユーザテストサービス「UIScope」のブログです。
YouTubeや東京メトロなどを「勝手に」ユーザテスト
「勝手にユーザテストをやってみました」というシリーズがとてもユニーク。
YouTube、
東京メトロなどスマートフォンサイトを「勝手に」取り上げながら、ユーザテストの勘所を教えてくれる内容となっています。
このように企業の強みを活かしたブログもいいですね。ただし宣伝色が強くなりすぎてしまうと逆効果になる場合もありますので、調整は必要です。
イベント管理・チケット販売サービスの
PeaTiXは、サービスの強みを活かしたブログ記事を多数公開しています。
イベント企画で今すぐ活かせるTIPSが一杯!
Facebookでユーザイベントを開いたり、勉強会を開催したり。イベントを開いてみたものの、その集客に悩んだ経験のある方は多いのではないでしょうか?
PeaTiX BLOGでは、
歩留まりを上げるためのメールの送り方や、
参加者同士の交流を促す方法、
募集タイトルの付け方など、イベントの企画、集客などに今すぐ活かせる、実践的な内容を紹介してくれています。読者が今スグ真似できそうなネタが多いのが良いですね!
エンジニアのための情報共有サービス
「Qiita」のブログです。
写真で語る
写真は時に、文章より能弁に語ると言います。サービスリリースまでの試行錯誤している様子の一コマがとてもリアルです。トライアンドエラーを続けているときこそ、ブログ用の写真を撮る心の余裕がほしいものです。
オンライン見積書・請求書管理サービス
「MakeLeaps」のブログです。
自社サービスに関係ないノウハウも記事で紹介
このブログでは、
「フリーランスに必須、無料で使える5つのクラウドWebサービス」、
「印象に残る名刺デザイン31選」など、自社サービスには関係のない内容も積極的に公開していっています。
それ以外にも創業時の経験を紹介してくれる、
「起業したい!MakeLeapsからの起業のススメ」という記事は、創業時の絶望がかなり事細かくかかれ、胸に迫る内容となっています。
料理カメラ「
SnapDish」を運営する
ヴァズ株式会社のブログです。
サービス企画の「こだわり」をブログで紹介
Instagramの成功を受け、HOLGA感あふれるアプリが巷に溢れる昨今ですが、SnapDishは一線を画し、長方形の写真が撮れるのが特徴です。
こういったサービス企画のこだわりを、SnapDishで撮れる写真が長方形である理由について、
「SnapDishの写真は、なぜInstagramなどと違って長方形なのか?」という記事で説明しています。
ドキュメントの少ない技術はブログ記事の狙い目
また、SnapDishは
技術ブログを個別に公開しています。
SnapDishは年間約300万枚もの写真投稿や、その高速表示を支えるデータベースにmongoDBを使っているそうです。mongoDBのドキュメントはまだまだ豊富とは言えないのが現状ですが、この技術ブログでは保存されたデータの処理に用いる
MongoDB Aggregation Frameworkなど、知識共有系の良エントリーが目立ちます。
日本語ドキュメントの乏しい技術でシステムを構築しているスタートアップはしめたもの! ぜひSnapDishの事例を参考に、技術ブログを公開しましょう。
学習サイトShareWisもブログを公開しています。
サービスに関連しない知識共有系エントリーが豊富
ShareWisブログでは、知識共有系エントリーが豊富です。
必ずしも直接的に「ShareWis」で学べる内容を紹介している訳ではなく、
「GitLabからGitHubに乗り換えたただ1つの理由」、
「GitとPivotal Trackerを使ったエンジニアの評価について」、
「スマホアプリのユーザビリティテストをUIscopeに実際に依頼してみた」といった、サービスを運営する側として知りたい内容を公開してくれています。
趣味系エントリーも人気!
このブログで、最もはてぶ数が多いのが
「驚くほど優秀なビジネスマンが、合コンでも優秀な理由」という記事です。
これ以外にも、
「起業家必見!WEB業界の人がろくろを回す理由をまじめに考えた」、
「人間 vs コンピュータ!電王戦?異質への根源的な恐怖」など、スタッフの人間味が伝わる記事が多数あります。
はアドテクノロジーの企業
Fringe81のブログです。
アドテクノロジー3年間の運営ノウハウ
新入社員が読むべき書籍を紹介しているほか、
「Fringe81のちょっとした歴史を振り返る」という記事の中で、アドテクノロジーの歴史やFringe81の変遷を伺い知れます。
スタートアップではないのですが、企業ブログをメディア化し、100万PVを達成した
LIGの事例をご紹介します。
「ちゃんとしたエントリー」が実は一番多い
秒速で結婚したり、
世界一即戦力な男を採用したり、
マカンコウサッポウを流行らせた女子高生を取材するなど、何かと話題に事欠かない会社ですが、その実態は2007年に設立されたWeb制作会社です。
一見、本業とは関係ないブログばかりが目にとまるLIGですが、実は本数で見ると、知識共有系のエントリーが最も多いのです。
Photoshopで髪の毛を切り抜く方法や
ダミーテキスト集など、現場に役立つ有用なエントリーが豊富です。
1年で100万PV
LIGの
エントリーによると、自社ブログをメディア化して成功するための秘訣として、次の3つを挙げています。
■LIGがメディアとして成功した3つの秘訣
1.オリジナルのコンテンツ
2.社内の雰囲気
3.ユーザとの交流
※引用:「自社サイトをメディア化し、1年で100万PVにして分かった失敗と成功のまとめ。」
自社サイトをメディア化してきたノウハウは、ウェブサイト制作受注に貢献しているとか。 ほかにも、ブログを作るメリットやコツ、失敗したことに包み隠さず触れており、大変参考になります。
まとめ
今回の記事はいかがでしたでしょうか?自社ブログでエントリーを書き起こす際の参考にしてみてください。
他にも「このスタートアップは、こんな面白いブログやっている!」というものがあればコメントでぜひ教えて下さい。一度拝見し、本記事で紹介させて頂きます。